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今日は政府主催の会合があり、審神者達とその近侍が一同に会した。
今夏初めての会合だ。
久しぶりに会う知り合いもいれば、初めて見る顔もあった。
しかし、周りを気にしてばかりもいられない。
戦績の報告、今後についてなど、会合は半日以上かけてみっちりと行われた。

「お疲れさまでした」

連れて来た近侍の長谷部が労ってくれる。
会合が長引いたため、もう外は真っ暗だ。
長時間に渡る会合に付き合ってくれた長谷部には感謝してもし足りない。

「長谷部もお疲れさま。今日はありがとう」

「主のため、近侍として当然の務めです」

その背後でドン!という重低音が鳴った。
長谷部が鋭く反応する。
だが、それは全く心配のないことだった。

「あっ」

「主?」

「見て、長谷部。花火だよ」

夜空に広がった大輪の花のような打ち上げ花火を指して言えば、長谷部もそれを見上げた。

「今日、花火大会だったんだね」

「花火…あれが」

ドン、ドン、ドン、と立て続けに音が響き、次々に打ち上げられる花火。

「綺麗だね…」

「はい、とても」

てっきり自分と同じように夜空を見上げていると思っていたら、長谷部はこちらを向いていた。

「長谷部?」

「花火の光に照らし出される貴女に見とれていました」

「も、もう!いつからそんなキザな台詞を言うようになったの」

「美しいと思ったのでそう感想を述べたまでです。俺は何かおかしなことを言いましたか?」

「うう…」

勢いをつけて長谷部に抱きつくと、よろめきもせずに受け止めてくれる。

「主、どうかされましたか?」

「私も長谷部に倣って素直になってみただけ」

細くともしっかり筋肉がついていて鞭のように引き締まった身体に腕を回し、ぎゅうぎゅうと抱きしめる。

「長谷部、大好き」

「俺も心よりお慕い申し上げております」

長谷部が優しく抱き締め返してくれるのが嬉しい。
どうせ皆花火大会に目をとられているのだからと、顔をあげて長谷部にキスをする。
ちゅっ、と触れるだけのそれに長谷部は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに私を抱き締めて同じように口付けてくれた。

「花火買って帰ろうか」

「あれは売っているものなのですか」

「打ち上げ花火?小さいのならね。それとは別にみんなで遊べる花火があるんだよ」

「なるほど。それは短刀達が喜ぶでしょう」

「そうだね。早く買って帰ろう」

花火大会はまだ続いていたけれど、私達は踵を返して歩き始めた。
この時期ならコンビニで花火セットを売っているだろう。

長谷部と手を繋いで歩く道を、夜空に浮かぶ花々が照らしていた。


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