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洗い場で身体を洗ってから露天風呂に向かうと、赤井は既に湯船に入り寛いでいた。
当たり前だがその頭にニット帽はない。
濡れた手で髪をかき上げて、岩場の向こうに植えられた桜の木々を見ている。

「寒いだろう。早く入って温まるといい」

「えっちなことしませんか?」

「さて」

低く笑う赤井に危機感を覚えなかったと言えば嘘になるが、なまえはあえて彼の良心を信じることにして身体に巻き付けていたタオルを外し、露天風呂に入っていった。
中に入ってしまえば、乳白色の湯が隠してくれる。

しかし、

「きゃっ!?」

急に抱き上げられて、身体が湯の中を移動する。
自分の脚の間になまえを収めた赤井は満足そうにその髪を撫でた。

「せっかく一緒に浸かっているのに、離れていてはつまらないだろう?」

「だからって、いきなりはびっくりします」

「すまない。言えば逃げられそうだったのでな」

「もう…」

なまえは仕方ないなぁとため息をついた。
お尻から腰にかけて赤井のライフルが当たっているのを気にしないふりをしながら。
湯の中にあっても強烈な存在感を示しているこれが、バキバキに硬くなって更に凶悪な状態になることをなまえは知っている。
未だにこんな恐ろしいものが自分の中に入ってしまうのだとは信じられずにいた。

──いけない。別のところに意識を持っていこう。そう、桜だ、桜。

「桜、綺麗ですね」

「ああ、美しいな」

桜の木をふり仰いだ赤井の太い首から、しっかりと筋肉がついた肩から胸板にかけてのライン。
なまえを抱き込んでいる腕の逞しさ。
桜の花とともに、そういったものが視界に入って来たせいで、赤井秀一という男のオスとしての魅力にあてられて頭がくらくらした。
顔が赤くなっているのが自分でもわかる。

腕の中から逃れたくて、もぞ、と身じろぎすると、太い腕はますますしっかりと身体に巻き付いた。

「無駄だ。逃がさんよ」

赤井が楽しげに笑う。

なまえは悔しくなって指で水鉄砲を作り、ぴしゅっと赤井の顔に湯をかけた。

「やったな」

顎を掴まれて上を向かされ、噛みつくような勢いでキスをされる。

「ん、ん、ちゅ…んぅ…!」

呼吸を奪われるような激しいキスに、苦しくなって胸板をぺしぺし叩くが、逞しい身体はびくともしない。
それどころか、痺れるほどきつく舌を吸われてしまった。

そうしてどれくらい経ったのか。
時間にすれば数分もしなかっただろうが、なまえにとっては長い長い時間唇を貪られてからようやく解放された頃には、すっかり身体中から力が抜けきってぐったりしてしまっていた。

はぁはぁと荒い呼吸を繰り返している唇をねっとりと舐められ、舌で舌を愛撫される。

入った時とは違い、向かい合わせになっていたから、今はなまえの正面に赤井の肉棒がある。
先ほどまでのキスで感じさせられて口をぱくぱくさせていた秘所に凶悪なそれを擦りつけられて、びくっと身体が跳ねた。

「なまえ」

なまえを見下ろす赤井は完全に獲物を見る肉食獣の目をしている。

「しゅ…秀一さん…」

「逃がさない。そう言ったはずだ」

腰が砕けそうな低い美声で囁かれ、こくりと喉を鳴らすと、軽く身体を持ち上げられ、凶器のようなそれがゆっくりと胎内に侵入してきた。

後は水音と甘い吐息が響くばかり。


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