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志保ちゃんが作ったアポトキシンの解毒薬でコナンくんと新一くんが二人に分離した。

更に、誤って飲んでしまった赤井さんが、赤井さんと昴さんに分離した。

何を言っているかわからないと思うが、私にもよくわからない。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。

「特に困らないだろう」

「そうですね、FBIの仕事に関しては」

赤井さんと昴さんがそれぞれ冷静な口調で言った。
取り乱してるのは周りだけで、本人達はいたってクールだ。
いや、現実的というべきか。
今後二人でどう分担していくかなど、淡々と話しているから凄い。
もし私が同じ立場だったらパニックに陥っているはずだ。
改めて精神的にも肉体的にも強靭な人達なのだと思い知った気分だった。

「問題は」

「ああ、そうだな、問題は」

二人が同時に私を見た。
えっ?なんですか?

「なまえをどうするかだが。譲る気はないのだろう?」

「当然。そちらこそ、なまえさんを諦めるつもりはないのでしょう?」

「無論」

どうしよう。
当事者である私を置いて、二人に取り合われている。

「一応聞くが、お前はどっちのものでいたいんだ?」

「えっ」

「赤井秀一と沖矢昴の、どちらが好きなんですか?」

「そ…それは…」

最初に好きになったのは昴さんだった。
でも、それは赤井さんの変装だったと知って、はじめはショックだったけど、でもやっぱり同じ人なんだなと感じることが出来て赤井さんのことを好きになった。
『沖矢昴』という仮の人物ごと。
『赤井秀一』という存在を受け入れたのだ。
それを今になってどちらかに決めろなんて酷すぎる。

だから、

「り、両方!」

「ダメだ」

「ダメです」

うっ…やっぱり駄目か。

「まあ、それは追々話し合って決めればいいのではないかな」

ジェイムズさんが言った。
ジョディさん達同僚が取り乱している中、彼だけはとても嬉しそうだ。
何しろ凄腕のスナイパーが二人になったのだから。
FBIとしては願ったり叶ったりだろう。

「いや、今決めてもらわなければ困る」

「仕事に差し支えます」

「ふむ、そうか」

ジェイムズさんが私を見た。

「君はどちらがいいのかね?この場ではっきりさせようじゃないか」

さっき追々話し合って決めればいいって言った口で、なんてことを!

「すまないね。追い詰めるようなまねをして。だが、大事なことなんだ」

そう、大事なことなのだ。

「大事なことだからこそ、すぐには決められません」

私はきっぱり宣言した。

「そうか」

「なるほど」

二つの声が同時に聞こえてギクリとする。
見れば、二人とも何か思いついたような顔をして私を見ていた。
……嫌な予感がする。

「では、」

「どちらを欲しているか」

「身体に聞いてみるしかないな」

あああ!やっぱり!
最終的にはこうなる気がしていたのだ。

咄嗟に逃げ出そうとした私の腕を昴さんが素早く掴み、引き寄せた。

「逃げ出そうなんて、そうはいきませんよ」

「お仕置きが必要だな」

赤井さんが私の身体を肩に担ぎ上げる。
そのまま二人は歩き出した。
どこへって決まっている。

「二人がかりなんて無理!無理です!死んじゃう!」

「俺達がお前を殺すわけがないだろう」

「そうですよ、たっぷりじっくり可愛がってあげますから」

「どちらがいいか選ぶまで、な」

「た…助けてぇ!」

もちろん、誰も助けてくれなかった。
赤井さんと昴さんの威圧感に圧されて誰も動けなかったからだ。
ああ、ここにコナンくんか新一くんがいてくれたら…。

寝室に入ると、昴さんが鍵をかけた音が。

ベッドに下ろされたと同時に赤井さんにキスをされ、昴さんに首筋を吸われた。
甘やかされるような優しい愛撫を受けながら、手際よく二人に服を脱がされていく。

「愛している、なまえ。俺を選べ」

「愛しています、なまえさん。僕を選んで下さい」

私達の関係がどうなったか。
それはご想像にお任せする。


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