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アイスクリーム専門店の新作のロイヤルスウィートミルクティーが安室さんの髪の色そっくりで、アイスが丸いからそのまま安室さんの後ろ頭に見える。

という話を蘭ちゃんと園子ちゃんにしていたら、いつの間にか安室さんが横に立ってにこにこと会話を聞いていた。

「僕も興味がありますね、そのアイス。ちょうど今日は早上がりなので今から一緒に食べに行きませんか?」

「きゃー!デートのお誘い!?」

「いや、園子ちゃん達も一緒でしょう」

「いえ、そんなお邪魔なんて出来ません」

「蘭ちゃんまでそんな…」

「僕と二人きりでデートするのは嫌ですか?」

安室さんがそんなことを言うので、女子高生達は赤くなってきゃぴきゃぴしている。

公安は外食しないんじゃなかったんですか、降谷さん。

そう問い詰めたかったが、あれよあれよという間に一緒に食べに行くことが決定してしまい、私は安室さんの愛車の助手席に乗っていた。

「楽しみですね、アイス。近頃は大分気温が上がってきたからちょうどいい」

ハンドルを握る安室さんはとても楽しそうだ。
殺伐とした組織の仕事をこなしたりして多忙な毎日を過ごしているから、時々こうした息抜きが必要なのかもしれない。

「着きましたよ、なまえさん」

アイスクリーム専門店の駐車場に車を停めると、安室さんと私は並んでお店に入っていった。

いらっしゃいませ、と朗らかな店員さんの声に迎えられて、アイスが並ぶショーケースの前まで行く。

「これが例のロイヤルスウィートミルクティーですね」

安室さんがアイスを指差して言った。

「なるほど、確かに似ていますね」

「ですよね」

「では、このアイスを二つ」

安室さんが店員さんに注文すると、僅かに頬を赤く染めた店員さんは、しかしさすがそこはプロだけあって、安室さんに見とれながらもすぐにてきぱきとアイスを二つ用意してくれた。

「すみません、おごってもらっちゃって」

「誘ったのは僕ですから。ほら、食べましょう」

「はい、いただきます」

「僕もいただきます」

お行儀よくいただきますをしてから安室さんはアイスにかぶりついた。
私も同じようにぱくりとアイスを食べる。
うん、美味しい。
ちゃんとロイヤルスウィートミルクティーの味がする。

「なまえさんが僕を食べている」

「んぐっ!?」

「大丈夫ですか?」

思わず咳き込むと、安室さんが優しく背中をさすってくれた。
だって、安室さんが変なことを言うから…!

「すみません。嬉しくて、つい」

「もう…からかわないで下さい」

「からかったわけじゃないんですけど、ね」

安室さんはくすりと笑って私の耳元に唇を寄せた。
ふわりと漂う良い香りにドキッとする。

「なまえが可愛いことを言うから」

突然降谷さんに戻るのずるいです。

「アイス、溶けちゃいますよ」

にこにこと微笑む安室さんに促され、私は赤くなりながらアイスを食べた。

「あ。アイスがついてる」

「えっ、どこですか?」

「ここです、ほら」

「!?」

安室さんの唇が私の唇に触れる。
店員さんも見てるのに…!

「美味しいですね、なまえさん」

安室さんの言う通り、彼の髪と同じ色をしたロイヤルスウィートミルクティーはとても美味しかった。


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