構ってよ、ヌナ
「ねえってば、聞いてるのヌナ?」
背中の後ろから聞こえる彼の声。
暖かい昼下がり、今日は5つ下の彼氏が家に来ている。
「...何、ジョングク」
「少しは僕に構ってよ、ヌナの家にせっかく来てるのに暇」
「今はどう見ても無理でしょ?後でね」
そういうと私はまた作業をはじめる。
本当は構ってあげたいけど
これを今日中に終わらせないとあたしの首が飛ぶ
「ねえねえねえ〜、ヌナってば〜」
ジョングクは甘えるような声を出して
こっちを見てきたけど何をしてもダメと気付いたのか
部屋にあるテレビを見始めた。
少ししてジョングクのほうを見ると
目が合う、けどすぐ逸らされる。
でもまた目が合いジョングクがこちらへ向かってくる。
「なまえヌナ。それ後で出来ないの?」
私だって後で出来るものならしたいよ。
でも今日しないと死んじゃう、
ってまだ高校2年生に言うような話でもないか。
「もう終わるから、後でいっぱい構ってあげる」
くるっと振り返りそっと唇が触れると
とたんに頬赤く染め微笑む君。
「ヌナ、早く終わらせてね!」
単純な君
「ヌナ、まだ?」
「もうちょっとだから!」
15'0111
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