原作×アニメ詰め

※もしも原作忍たまとアニメ忍たまが一つの世界で出会ったら、という設定

【潮江と潮江】背後から感じた人の気配に、振り向くと同時に苦無を投げる。それは十キロはあるであろう鉄の塊によって容易く弾かれた。「相変わらずじゃねぇか」「……」左右で形が異なる目が細められる。「精々死ぬんじゃねぇぞ」彼は、不敵に笑う自分自身に言った。「余計なお世話だ、バカタレ」

//天敵はその影に

【富松と富松】…いつものように行方不明の同級生を探していた筈が、なんでこんなところに来ちまったんだ。見たことのない景色に不安や焦りは募る。「よう、おめぇも迷子かい?」声のする方を振り返ると、そこには黒髪の少年が一人立っていた。「おめぇは…」…自棄に自分とよく似た顔をしている。「俺かい?“俺も”富松作兵衛ってんだ」そう名乗った少年の手にも、迷子縄が握られていた。「出口はあっちだ、そこにお前の探す迷子共もいる」おらビビんなよ、前だけ見て進め。その言葉に、赤髪の少年は頷く。「…ったりめぇだろ」指差す先、霧の向こうへ赤髪の少年は駆けていった。決して、振り返ることもなく。

//明日に向かって

【善法寺と善法寺】落ちた穴の底には、既に先客がいた。「やあ、君も不運だね」乱れた黒髪、泥に汚れたその顔は、よく見たことがある。「ああ、君もね」地面に散らばる包帯は、果たしてどちらのものか。黒髪の少年の澄んだ瞳が、彼に問いかける。「大事なものは、守れているかい?」彼は、静かに微笑んだ。「…うん、お陰さまでね」そいつは良かった。暗い穴の底に生まれた笑顔は眩しかった。

//変わらない僕らの

【池田と池田】「なんだぁ、その変な緑の髪!」町で擦れ違った見知らぬ少年にそんなことを言われ、負けじと彼も言い返す。「お前こそ、何だよその地味な黒髪!」初対面とは思えない言い争いが繰り広げられる。全く、似た者同士とはこのことで。

//ドロー

【尾浜と尾浜】「やあ」俺の姿を見て、君は目を細める。「…やあ、そっちの世界はどうだい?」君は頷き、笑ってみせた。「楽しいよ、16年待った甲斐があってね」「…そうか、元気ならいいんだ」君のお陰で、俺はこの声を貰えたんだね。「どうしたの?」「はは、なんでもないよ!ところで、彦四郎や三郎は元気?」ほら、こうして笑うこともできるよ。

//伝えきれないありがとう

【三反田と三反田】保健室の戸を開けると、もう一人の自分の姿があった。いや、少しだけ違う。目の前の彼の髪は薄紫色だった。「わぁっ君、変わった色の髪をしてるね」「えっ、そうかい?」同じ顔が二つ、向かい合う。「いいなぁ…こんな色だったら少しは目立つじゃない」そしたら僕も忘れられずに済むのかなぁ。悲しそうに呟く少年に、彼は苦笑する。「ぜーんぜん!僕も忘れられてばかりだよ」こんなに薄い紫だもの、と笑う彼に、茶髪の少年も冗談を言う。「なら、いっそ金髪にしちゃおうか!」その言葉に、薄紫の少年も笑った。「ははっ、そりゃいい!タカ丸さんに染めてもらわなきゃ」同じ顔が二つ、幸せそうに笑う。

//透明水彩

【七松と七松】「よぉ!」目の前の男が手を振る。片手でバレーボールを弄びながら。「なあ、私とバレーしようぜ」「ははっ、望むところだ!」不敵な笑みを浮かべて肩を鳴らす彼、背まで伸びる明るい茶髪がゆらゆらと揺れる。果たして、決着は着くのか。

//自分戦争

【猪名寺と猪名寺】もしももう一人の私に会えたら、たくさん聞きたいことがあるんだ。父ちゃんや母ちゃんは元気?土井先生や山田先生はやっぱり怒ると恐い?先輩達は相変わらず?…一年は組のみんなと過ごす毎日は、楽しい?遠い世界にいる君だから、きっと会えないかもしれないけど。いつか立派な忍者になって、必ず会いにいくよ!その時まで、またね。

//from me to me

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