「ちょ…、マジストップ高杉!」 「あ?うっせェな、停学になりたくねーんだろ」 「どーなんだろーねー」
ちょっと待てよ。私、なんかおかしくね? もしも、私が停学でずっと家にいるとしたら。 私が停学だとバレたとしたら。
帰ってきた母さんにぶっ殺される…!!
「停学になりたくない!マジなりたくない!死んでもならない!」 「じゃあ、校長んとこ行くこったなァ」 「ええ、それもやだぁ…なんてそんなことないよー!うん、超行きたい!めっちゃ行きたい!」
私が少しでも消極的なことを言えば高杉が私を殺すに違いない。 殺すって言うか、もう消すみたいな。灰になるまでボロボロにされる感じの。 嫌だわー、考えただけで鳥肌が…っ
「そ、そんな獣みたいな目で見ないで下さいよ…」 「だって獣だもん」 「え!?なにそれ!だもんとか高杉が言うと可愛いんだけどッ!!」 「殺すぞ」 「めんごォォォォオ!!」
急いで土下座をする私。土下座に比べ、言葉に反省の意がこもってないと思うのは私だけではないだろうね。 自分で言っといて自分でおかしいと思うのって本当におかしいよね。 私はすごくおかしい人なんだな。
「ってゆーか、アレ?ここ校長室ちゃうよ。職員室だけど」 「そんなこと分かってらァ。銀八連れてくんだよ」 「おおー、戦力をあげるということか」 「馬鹿か。誰がそんなバカ○スみたいなことすっか」 「サモン!…あれ?出ねェ」
勢いよく飛んできた高杉の右足。 それは私の顔面に直撃した。
「ふんごォォォ!!」ともがく私をよそに職員室へ入っていって、銀八先生を引きずり出してくる高杉。
「痛いイタイイタイ!お前なに!?痛いよ、ねえっ!あれ、馬鹿がいる」 「サモンンンンンン!!」 「ぶっふぉお!?それサモンじゃない!召還してない!自分で攻撃しに来てるよ!?」
人のことを簡単に馬鹿、とかいった罰だ。お前も充分馬鹿だろ。
「で、お二人さん何?恋の相談なら銀さん喜んで承るけど」 「停学の相談」 「却下。そういう相談うちではやってないのよぉ。ごめんねぇ、お隣さん行ってくれる?」 「サモンンンンンン!!」
お前はどこで相談室を開いているんだ。頭おかしいんじゃね?
私の左足と高杉の右足が先生の顔面にクリーンヒットした。 「ふんごォォォ!!」ともがく先生に私たちは話しかける。
「で、俺に何をして欲しいワケ?ワケもなく先生に頼ると痛い目みるよ」 「痛い目見せてあげましょうか」 「もう見てる。君はさっきからサモンサモンって銀さんのことを結構傷つけてるよ」 「停学を取り消してもらいたいんですって、高杉さんが」 「俺ァそんなこと言ってねェ」 「てか、高杉じゃなくてお前じゃん、停学になったの」 「うん、だから」 「だからの意味が分からない」 「お前らうぜぇ……」
私たちがガミガミと話の方向性をどんどんおかしくしていると高杉が呆れたように大きな大きなため息を吐いた。
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