「ふぁーあ…」


眠い。とてつもなく眠たい。
私…もとい俺は、昨日の夜から隊長にパシられていた。


俺は、真選組隊士で、性別は女。だけど、真選組は女禁制。だからこうして男装して真選組に入っているんだ。
真選組に入れたのはとてもとても嬉しいことなんだけど、俺の隊長はそれはそれはひどい人で…。
俺のことを奴隷のように扱っている。



「おい、名前。」
「…なんですか、隊長。」
「まずはおはようございます。だろィ?」
「おはようございます、隊長。」
「お前、後で俺の部屋に来なせェ」
「…?」


頭にハテナマークを浮かべながら俺はくるりと背中を向けて遠ざかっていく隊長の背中を見つめていた。


まさか説教とか…?そんなことだったら俺は本当に死んでしまう。
今までも何度か死に掛けたし…


「うぅ…」
「おう、名前。お前また総悟にパシられてんのか。」
「副長ぉぉぉ…そうなんですよ、さっき呼び出しくらっちゃって…なんか悪いことしました?」
「別に。俺は知らん。じゃあ、頑張れよ。」


副長も俺のことは何も分かってくれない。
誰か…俺の理解者はいないのか……


仕方なく隊長の部屋へ向かう。説教をされると覚悟のうえで。


「隊長?失礼します。」


ノックしたし、入っても大丈夫だよね?


「なんですか?用って…」
「お前、昨日俺が言ったことサボっただろィ?」
「そ、掃除のことですか?」


昨日、俺の代わりに掃除やっとけと言われて逆らえるはずもなく、隊長に代わり掃除をしていた。
でも、別にサボった訳じゃ…


「サボってないですよ。」
「ふぅーん…でも俺は厠の掃除が汚かったって土方さんに怒られやした」
「す、すみません……」
「だから、その罰として土方さんのマヨと俺が用意しといた腐ったマヨと取り替えてきてくだせェ」


そんなことしたら俺が副長に……
考えただけで恐ろしい。


「……っ隊長…っ!」


どうか私の立場もお考えください
(名前、お前か俺のマヨ腐ったのに取り替えた奴ァ!)
(ひぃぃ…っごめんなさいぃぃ!)


お題:確かに恋だった


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