かつて一緒に戦った仲間たちは皆バラバラになってしまった。白夜叉ともあろう奴が万事屋なんてふざけた店を開いていたり、狂乱の貴公子様は真選組に追い回される日々。もう一人は自由に空を飛びまわってるらしい。自由って方が俺にとっちゃ羨ましいがな。
「晋助…」
一人だけ、俺に着いてきた馬鹿みたいな奴がいた。名前は銀時が大好きだったはずなのに、なんで俺なんかのところに着いてきたのかと問えば銀時は一人でも大丈夫だけど晋助を一人にするのは心配だったから、と馬鹿げた返答。
「明日、大変になるかな?」
「不安なのかァ?」
「不安…不安だよ、晋助…。幕臣を殺しに行くんだもの。殺らなきゃ殺られる状況なんだから」
「お前ェなら大丈夫だろ」
喉で笑う俺に名前は微笑んで、そうだねとだけ言って背を向けていった。
「おやすみ、晋助」
次の日。名前はいくら待ったって帰ってこなかった。
「晋助様…名前が…!」
「あ?帰ってきやがったのか、あの馬鹿」
死んだかと思っていた。少し、清清しいかと思ったらそんなの全くのハッタリで俺までアイツの馬鹿がうつったかと思うくらい胸の中がもやもやした。
名前は全身に傷をつけて隊員に肩を貸してもらいながら俺のすぐ近くまでやってきた。足を重たそうに引きずってくる。が、それよりも…左目に手をあててる方が気になった。
「た…ただいま」
「んだよ、その目。やられたのかァ?」
「えへへ、晋助とおそろいだね」
なんてダラダラ血を流しながらへらりと笑う名前が何故かとてつもなく愛おしかった。
動き回る屍
馬鹿か、お前は。怪我してなにがおそろいだ。
いいじゃん、私も眼帯じゃなくて包帯まこーっと。
タイトルの意味が分からない。本当はもっと泣ける話にしたかったのに、全然泣けねーよ、なんでだよ。長編とかにしてふかーく書けばもっと切なくなるのかも…?