遂に来てしまった…放課後…。
俺の運命が決まる瞬間。俺の天国行きか地獄行きかが決まる時間だ。

何年間だろう……10年前くらいからは絶対好きだった。
10年越しの恋が実るか実らないか……。

前に告白してくれた女の子にも言われた、成就するように頑張ってと。
今までにも何回もそんなこと言われた。だからそういってくれた人たちのためにも俺は恋愛成就させるんだ。
縁結びのお守りだって何回買ったことだか。俺がどれだけ柚子を好きだか…。


「きりーつ、れい」


学級委員がそう言って、みんなが教室からぞろぞろと出て行く頃、俺は一人教室に残っていた。
今までこんなに心臓がうるさかかったことはない。生まれてはじめてこんなに心臓がうるさくなったんだ。
柚子も俺と同じように心臓がうるさくなっているのだろうか…。

携帯を開いて、柚子にメールを打つ。


『校舎裏で待ってまさァ 総悟』


送信ボタンを押した瞬間にそのメールが柚子に届く。小刻みに震える指で送信ボタンを押す。
目が回りそうなほど緊張した。今まで、俺に告白してくれた人たちはみんなこんな思いだったのか…。
告白してくれてありがとう、って今はじめて思った。

携帯が手の中で震えた。それは柚子からメールの返信が届いたことを知らせた。


『了解。すぐ行く。 柚子』


やはり柚子の返信をゆっくり何度も何度も読み返した後にやっと自分の席から立ち上がって早足で下駄箱へ向かう。
柚子はすぐ行くと言っていたから本当にすぐに行くだろう。
俺も早く行かなければ…

急いで校舎裏へ行くとそこには小柄な少女が一人ぽつんと携帯を片手に待っていた。


「おっそい!アンタから呼んどいていつまで待たせる気!?」
「ごめんごめん。ちょっとボーっとしてて…」
「それであたしが許すとでも思ってるの!?」
「思わねェや」
「あたしが今から言うこと聞いてくれたら許してあげる。」
「分かりやした。」


柚子は顔を赤くして少し間を開けて俺のことを指差した。


「あたしの好きな人は…っ総悟…っ!馬鹿なアンタがずっと好きだったの、本当気づかないんだから鈍感馬鹿総悟っ!だから…あたしと付き合いなさいよ…っ!!」


泣きそうな顔で言う柚子。顔を真っ赤にして俺のことをずっと指差しながらうつむいている。
やっぱり柚子は可愛い。可愛すぎる。

嬉しすぎて、俺まで泣きそうでさァ。
俺は天国行き決定だ。一生、柚子を幸せにしてやる。


「もちろん付き合ってやりまさァ」
「…本当に?」
「ああ。だって、俺も……」

「お前が好きなんだから」


今からきみに告白します
俺の初恋実った。


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