「ストーカーアル」
「総悟…お前、最近ストーカーっぽいぞ…」
「総悟も俺と仲間だな!」


最近、俺はストーカーと呼ばれるようになってしまった。

俺は別にストーカーしてるつもりなんてこれっぽっちもないのに、傍から見ればストーカーのようなものらしい。
俺には何がなんだか分かんねェけど……夜に柚子んちまで行ってるだけなのに…。


「総悟、それがストーカーだ」
「でも、柚子は何も言ってないんですぜ?」
「それは歌和が気づいてないだけだ。」


柚子は俺が家に行ってることに気づいていない。別に風呂とか覗いてる訳じゃないし、近藤さんみたいに日中張り付いてる訳じゃないからまだ俺はストーカーだとは思ってないけど。
どこからがストーカーでどこからがストーカーじゃないのかがまったく分からない。

ストーカーって難しい。


「総悟、歌和のことが好きな気持ちは分かるがな…」
「分かる!?分かるんですかィ!?まさか、柚子のこと…」
「んな訳ねェんだろォォォ!お前に殺されるってリスクがあるのにそんな危険な区域に自分で踏み込む馬鹿がどこにいる!」
「ならいいけど……」


土方がもしも柚子のことを好きだったらマジで殺してやる。それは本当に、マジで。俺だって超真面目に言ってるから。


「てか、お前はアイツの家に行って何してんだよ」
「いやー…何をしてるのかなぁ…と。」
「それがストーカーだ。」


それはストーカーなのか?ただ俺が見ているストーカーのやり方があまりにも酷いからストーカーがよく分からなくなってしまってるのか?
もうストーカーが全然分かんねェ


「もうそろそろ告白したらどうなんだ?」
「そんな勇気、俺にはありやせん。」
「…ありそうだけどな。ストーカーする勇気はあって告白する勇気がないってどういうことだ、おい。」


柚子に告白できるなら告白したい。でも、そんな勇気がないから今ここで立ち止まってうじうじしてんだろ、馬鹿土方。
告白したい。柚子が俺のことを好きじゃなかったら…と考えると……。
フラれるのは絶対に嫌だ。


「じゃあ、今度告白しろよ。したら、教えろ。」
「なんで、お前に言わなくちゃいけないんでィ」


公認ストーカー
ストーカーじゃねぇよ


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