いつものように学校についた俺と柚子。 これからは極力、笑わなければ…っ!! 家を出る前に鏡の前で笑顔の練習してきたんだし、大丈夫だろ。 俺はやれば出来る子なんだし。 「一時間目ってなんだったっけ?」 「たしか…国語?でも銀ちゃんだから適当に終わるんじゃない?」 「そうですねィ」 あはは、と笑う俺。今、ちゃんと笑えてたか? 隣で歩く柚子の顔を見てみたら柚子も微笑んでいた。 俺が笑えば、柚子も笑顔になるのか? 教室に入ると俺も柚子も離れてしまう。それが俺には嫌で嫌で仕方がない。 どうしてだか分からないけど…ああ、そうか。柚子の席と高杉が近いからか。 アイツ…前まで学校来てなかったのに、柚子と席が近くなってから毎日来るようになりやがって……。 授業もまともに受けてないくせに、ちゃっかり柚子にべたべたしやがって…マジムカつく。 「おい、サド。」 「あ?」 機嫌の悪いときにまさかのまさかで、チャイナに話しかけられた。 なんだよ…チャイナ……今、俺機嫌悪ィのに… 「高杉と柚子が最近仲いいネ。いいアルか。取られちまうヨ?」 「別に……俺には関係ありやせん。」 「そうアルか。」 アイツなんなんでィ…まったく腹立つ奴ばっかでさァ。 あ、今の俺、笑ってない。すっげぇ、ひどい顔してる。 柚子が俺のこと見てたらどうしよう……。 でも、今笑おうとしたらきっと引きつった笑みしか出てこない。そんなのを見られるほうがよっぽど嫌だ。 でも、笑ってみようか…? 「おい、総悟……お前、Sっぽい笑みこぼしてんぞ……怖ぇよ…」 バカ、意識しすぎ 色んな意味で笑えねェ |