俺は笑顔を作るのが苦手だ。アイツは笑顔が素敵な人が好きって言ってたのに…
でも、それが本当かどうかさえ分からない。

アイツのことをよく分かっている人と、かっこいいってのはクリア済み。
あとは………


「おはようございまさァ」
「おはよ。よし、今日はちゃんと寝坊しなかったんだ。」
「まぁ、俺だってやれば出来る子だし。」
「何、それ。」


柚子に朝起こしに来てもらえないのは残念だけど…でも柚子が俺のことを褒めてくれるのも悪くはない。


「これからも寝坊しないでもらえると助かるんだけど……」
「それはちょっと無理かもしれやせん」
「んだとぅ!?」


やっぱり、俺は柚子と一緒にいる時が一番笑うみたいだ。柚子は俺を笑顔にする天才だ。
可愛いし、話してて飽きないし…そこらへんの女とはちょっと違う。ツンデレだし。

やっぱり柚子に朝、起こしてもらえないのは嫌だ。
褒められるのもいいけど…たまには起こしに来てもらいたい。だから、俺は自分でも起きるし起こしにも来てもらう。これでどうだ!

俺の横で歩く柚子をじっくり見てみると、笑うときは自然に笑うのに、あまり笑わないな…と思う。


「柚子、」
「なに?」
「笑って?」
「な、なんでよ!」
「柚子の笑顔が好きだから。」
「嫌に決まってるでしょ!」


そのまま俺の一歩先を歩く、柚子。俺も柚子に追いつこうと少し歩くスピードを速めて進む。
柚子はちょっと怒った風に歩いているけど本当は全然怒ってなさそう。
傍から見たら怒ってるように見えてるけど。

でも、俺には分かる。怒ってない。


「柚子、こっち向いてくだせェ」
「…なに、もう…っ」


俺と目を合わせた柚子は顔が真っ赤で俺のハートを打ち抜いた。
やっぱり柚子はずるい。


ずるいから好きです
可愛すぎて、ずるい。


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