短編たち | ナノ
01



ぽつぽつ、がざあざあに変わる時、何が起きてるんだろうと考えるのが好きだった。


乾いてからからのコンクリートが色濃く染まるのも、独特の雨の匂いを薫り立たせるのも、

視覚聴覚嗅覚を楽しませてくれる雨が好きだった。


「あ、っ、ン、、ん、ぁ」


ざあざあ、ざあざあ。
もっと大きかったらいいのに。


「、やだ、ぁん、きょ、う、」


すべてをかき消すくらい、大きい音を立ててくれればいいのに。




雨濡れに薫るとき








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