次郎部屋 | ナノ
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さて、和樹は困っていた。
アロエヨーグルトを食べながら寝てしまったであろう目の前の人を見ながら。
運ぶには体格差が憎い。
幸い制服に着替えてはいるみたいだからひよりに運んでもらおう!
と考えさっそく不良くんに電話をしてみた。
「ひより!?頼みたいことがあるんだけど……だめか?」
『あ?和樹のいうことならなんでも聞いてやるよ』
まさかそれが人運びだなんて思いもしないひよりは二つ返事でオーケーした。
(もしかして告られちゃう系か?)
なんて朝から頭に花を咲かせながら和樹に会いに行ったひよりは思いっきり不機嫌になる。
「嫌に決まってんだろ」
「お願い、ひより!!」
「……いやでも、」
目の前には寝息を立てる次郎。ひよりは顔をしかめた。
なにが楽しくて好きでもない男を運べというのか。しかし頼んでいるのは自分の好きな男なのだ。
「あ!!!俺そういえば和泉に呼ばれてるんだった!!!先行くな!!!」
しかもその好きな男は自由奔放で思いっきり鈍い。
ひよりと寝こける次郎を置いてすたこらさっさと一人登校してしまった。
というかほっとけばいいのに!休ませればいいだろ!!寝てるんだから!!!
ひよりの心中は痛いほど伺える。
それでも運ばざるを得ない。
なにせ好きな人の頼みなのだから。
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