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「じゃあアップは各自するように!」

監督の指示をかわきりに一斉にアップを始める。

「奏哉ー! 奏架ー!走ろ!」

そして1人で走ればいいものを鳴はわざわざいつも
俺らを誘う。まあ本気で嫌なら拒んでるはずだから
きっと俺も嫌じゃないんだろう。

「うん!走ろっかー!
奏哉はやくー!」



「あーあー、なんで俺2人とチーム違うんだよな〜」
走り始めてそうそう文句をいい始めるのは鳴。
まあこいつしかいない。
「さぁ?なんでだろうね。」
「奏哉つめたい!なぁ 奏架!」
「え?あー、うん?
奏哉いつもそんな感じじゃん。
あ、あと鳴にも言わないとって思ってたんだ。
私、今年一杯で、って言うか夏過ぎたらやめるね、野球」
けろっとした顔で、しかもちょっとコンビニいってきまーす、的なノリで鳴にあのことを話した 奏架。
「は?奏哉、今日って」
「エイプリルフールではないかな」
「だよな?」
「うん。」
「てゆうか奏哉はいつから知ってたんだよ」

1か月前。

その言葉を遮って聞こえたのは 奏架の声。

「1か月くらい前に奏哉にはいったよ。
別に鳴に言わなかった訳じゃなくてタイミングなかっただけだから気にしないで!
てか、そろそろ走るのやめない?
キャッチボールしよう!あ、3人じゃしにくいよね!
だったら私誰か他の子とするからさきいくね」

キャッチボールなんていつも3人でしてるのに。
癖だよな、 奏架の。
触れられたくない話になると適当な理由つけてすぐどっか行くの。
それに鳴も気づいてるからきっとなにも言わないんだろうけど。

「鳴。キャッチボール。」
「う、うん。」




パンッ

パンッ

もう周りを見ると走ってる人は誰もいなくて
グローブにボールが吸い込まれる音だけがグラウンドに響く。




「おーし。そろそろアップもいいだろ。
奏哉チームはあっちで鳴チームそっちな。
俺は今日は審判するから試合中の判断は自分達でしろな!」

「「はい!!」」







(癖)
奏哉だって癖あるじゃんねー!
欠点は人にみせてない。
え。癖って欠点なの?
え、わかんない


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