18




ー関東大会前日ー

「監督。」
「柏木か。なんだ?」
明日試合ということもあり練習自体は早めにおわり選手は自主練に切り替える。
そして私は明日登板があるかもしれない降谷について監督に話に来た。
「明日…。本当に降谷くんを登板させるんですか?
いくら投手層が薄いからってやっぱりいきなりは…」
「…。お前の言いたいことはよくわかる。だがな。去年の稲実を知っているだろう?」
去年の稲実?
「成宮…。あいつはよくできた投手だ。そして今年は去年なんて比じゃないくらいの成長をみせている。だがその後ろにあったものはなんだ?」
「…甲子園での…」
私は去年の夏のことを思い出す。
「そうだ。まだ夏まで時間はある。ああいう選手を育てるためにも明日、必ず降谷を使う。」
「…はい」











ー関東大会 一回戦
青道(東京)ー横浜港北学園(神奈川)



7回終わって4点差…
降谷くんの出番はまだない。
ただ6回までは丹波さんのピッチングはよかった…
ということはきっとここで出してくる…


「8回の表
青道高校投手の交代をお知らせします
8番丹波君に代わりピッチャー降谷君」


「え?先輩!この試合って1年生も出るんですか?!」
「ちょ、春乃。耳元でしゃべんないでよ…」
降谷くんが出た瞬間にあたりはざわつく。
まぁそれも当然か…。
傍からみれば試合を諦めたようにみえるかもな…
「まぁ、出れないこともないしね。監督もいろいろ考えてるんだよ。」
「でも…すごいですね…。1年生でマウンドにたっちゃうなんて…」
春乃は関心したように言うけど、西東京にはもっとすごい投手がいるから…

そして、そのざわついた観衆のなかでの第1球目ー
持ち前の剛速球でストライク。
見えるはずがないのに御幸のドヤ顔が目に浮かぶ。
そしてそのあとも全部おさえてゲームセット。
「試合には負けたけど、収穫は沢山あったね」
「貴子先輩。まぁ夏までに仕上げないといけないところはまだまだありますけどね。
あとは…」
「クリス君達のこと?」
「はい…」
クリス先輩と沢村君。
今日もなにやらもめてた様で。
前途多難ってこういうことをいうんだな…









(ゲームセット)
コントロールだな。
だね。


[ 18/89 ]

[*prev] [next#]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -