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「 奏架!」
「あ、奏哉。なに?」

試合が終わりぞろぞろと寮に帰る。
もちろん、試合結果は一年生のぼろ負け。
だけど、沢村くんは最後まで投げ抜いた。
正直びっくりだ。

「や、御幸が今日のスコアブック見たいって言ってたから。俺も見たかったし借りにきた。」
「あ、それなら先に哲さんに渡しちゃった。
またあとで持っていこうか?どうせ倉持とかに捕まったら取りにこれないだろうし。」
奏哉が倉持に捕まってるところを想像すると笑えてくる。
「何笑ってんの。まあたぶん付きまとわれるから持ってきてほしい。もし部屋にいなくても机の上おいといて。あとで俺から御幸に渡すから。」
「そう?ありがと。じゃ、私礼ちゃんに呼ばれてるから!」


ふー…。
なーんか、ほんと疲れたな、今日は。
でも、降谷君もだけど、沢村くんもなかなか良かったと思うな…。
あとは小湊くん。なんとなく試合前に奏哉が言ってたこと分かる気がする。
まあ、上級生に比べたらまだまだだな。

「 奏架ちゃん!」
ぼぅーっと考えて歩いてたら礼ちゃんが先に迎えに来てくれいた。
「あ、礼ちゃん!っと、間違えた。高島先生!
用ってなんですか?」
「あ。用っていうのは私からじゃなくて監督からよ。とにかく太田部長もいるから早くいきましょ」
「あ、はい」

監督からってなんなんだろう。
やっぱりベンチ離れてたことバレてたのかな…。
う、ほんとにそれだったらマズイ…




「片岡監督。こちらにいらっしゃいましたか。」
「どうでした?今日の試合は。」
礼ちゃんと太田部長が今日の試合について監督に聞き寄る。
ということは別に私にお咎めあるわけじゃない?
あー、よかった。
ここで怒られたら確実にやばい。
ヤバイなんてもんじゃない。
それこそもう雑用マネージャーになっちゃうかもしれない。
あぁ、本当よかった。
「沢村は二軍で経験をつませろ。
柏木も反対はないな?」
「え?あ、はい。」
正直話あんまり聞いてなかった…。
はいって答えてよかったよね?
「ふ。なに百面相しとるんだ。
お前もこれから忙しくなるんだからな。
選手のサポート頼むぞ。」
「はい!」



(たぶん付きまとわれるから)
やっぱりきたか。
え?なんだよ?来ちゃ悪いのか?
いや、べつに。なんにもないけど。てゆうか御幸は?
あー、なんか降谷に呼ばれてたかも
かもってなんだよ!
かもはかもだ!ヒャハハ
はぁ…。


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