10 魂「なんだよ」 シルバーを横目で睨む。 響「それはハート君だからなんですよ。僕はソウルが進んで手伝うなんて初めて見ました」 銀「よっぽどハートが大事なんだな、ソウルは」 ニヤニヤ笑う。 魂「うるせぇ!」 響「はははっ」 今度はお腹を抱えて笑い出した。 心「何を笑っているんだ?」 戻ってきた。 響「あはは…君といる時といない時の、ソウルのギャップが可笑しくて」 心「ふーん…。どんなの?」 銀「ヒビキが言うには物凄く無愛想で無関心。他人には良くも悪くも一切手を貸さないし、素っ気ない。特に教室ではただ居るだけ、って感じだってさ」 心「へー…真逆」 魂「うっせぇな、どうでもいいんだよ。学校も他の奴らも…いちいち構ってる暇ねぇんだ」 心「俺のことも構ってる暇ねぇんじゃねぇの?」 銀「(こいつ…わざと聞いてるな)」 魂「……お前は別だ」 響「え、何で?僕は駄目?」 魂「うるせぇ、黙れ!」 銀「(嬉しそうだな、ハート)」 心「(お前は別だって言われると、なんか嬉しいんだよな)」 魂「?何をこそこそ話してんだ」 ハートとシルバーの方を睨む。 銀「別に〜」 ニヤニヤ笑っているシルバー。 魂「…なら、その笑いは何だよ」 銀「えへへへ…」 魂「………」 シルバーを睨み付ける。 心「あ〜これ苦いな」 薬飲んだあと顔をしかめる。 魂「平気か?」 響「良薬は口に苦し、って言うしね」 心「紛らわせるものないかな……」 周りをキョロキョロ見る。 響「クッキー食べたら?」 心「そうだな…」 ハートのニューラが手元のクッキーをじっと見る。 心「そんな目で見るなよ……」 手に取ったクッキーは実はニューラ型。 響「一番に食べてもらえるって、愛されてる証拠じゃない?」 ニューラに笑いかける。 心「………」 膝に飛び乗ってきたニューラを撫でる。 響「ね?」 魂「…よく言えるな、そんな台詞」 銀「気遣う心の持ち主なんだろう、多分」 魂「お前は、こいつを知らねぇからそう言えるんだよ」 響「ソウルひど〜っ」 心「ソウル、洗濯物…結構ため込んでねぇか?」 魂「ああ…悪い、今持っていく」 心「ヒビキ、ソウルの部屋に入ったことあるか?」 響「ないよ」 心「入ってみなよ。いろいろとすげぇから」 響「いろいろと…?へぇ、見てみたいな」 銀「危ない意味じゃないが……、俺にとってあの部屋は危険だ。アイツがいる……!!」 心「はいはい…」 魂「置いてきたぞ」 戻ってきたソウル。 心「じゃあ洗濯機を回すか…」 リビングを離れる。 響「それって何ですか?」 銀「黒くてテカテカ光ってる害虫だ……!」 魂「何の話だ?」 響「…もしかしてゴキブリですか?」 銀「それっ!!あぁもう寒気がする…。ソウルの部屋を爆破したい」 めちゃくちゃな人だ。 響「あはははっ」 魂「するな!!したらお前の部屋も爆破してやるからな!」 銀「俺の部屋は片づいてるよっ!!たまに野良猫が入ってくるけど」 魂「そういう問題じゃねぇ!…とにかく爆破すんな!!」 銀「爆破しないと貴様の部屋のGは滅ばないだろうっ!?」 魂「たかだかゴキブリで部屋吹き飛ばされてたまるか!」 心「爆破がなんだ?」 戻ってきた。 響「ソウルの部屋のゴキブリ退治に、シルバーさんが部屋を爆破するって言ってるんだ」 言いながら笑いの止まらないヒビキ。 心「兄貴嫌いだもんなぁ…虫、特にG」 銀「爆破したい〜っ!」 魂「させねぇ!!」 響「(会話が平行線になってる…)ソウル、その部屋見せてよ」 魂「ああ、構わねぇけど」 心「兄貴はここで大人しくしてるよな?」 銀「ここ二ヶ月掃除機かけてないみたいだからな…Gが量産されてるだろ」 ソファーにへばりついてしまう。 心「だそうだから、let's go!!」 back | next |