・古代の十闘士の伝説の真相
 かつて、ルーチェモンが圧政を強いていた時代にルーチェモンと戦ったのは、古代十闘士と人間界から来た人間だった。人間は何故かこの世界においてデジモンたちの力を上げさせることができる存在とされている。
 その中でも古代十闘士のパートナーであった人間は特別で、体に世界のサイドコアの欠片(世界を形作る10の要素の欠片)を宿している。
 その力で、七年近くもの時間をかけ辛くもルーチェモンを封印することに成功する。しかし、古代十闘士たちは代償にルーチェモンの呪いを受けた。
 その呪いのせいによって古代十闘士たちはこの世界に長くいられなくなってしまい、他の世界で深い眠りにつかなくてはならなくなった(世界にバグデータだと認識されるようになってしまったため)
 だがここでも問題が起きる。古代十闘士たちの力はサイドコアの影響で強大になりすぎてしまっていた。もともとルーチェモンによってぼろぼろになってしまった世界では、古代十闘士という存在が必要不可欠になっていたのだ。彼らが世界を去ることは、世界を構成する十要素のサイドコアからデータを引き出し、世界に放出する媒体がなくなってしまうことと同義だ。
 そこで古代十闘士の仲間でもあった三大天使はある解決策を見出した。古代十闘士たちの力の一部を人間たちに宿し、その人間たちを媒体として世界の安定を保つという方法だ。サイドコアの欠片を身に宿し、古代十闘士たちにここまで大きな力を与えた人間たちならば、十分にその役目を全う出来ると踏んでのことだ。
 もちろんその役目を担ってしまえば、人間たちは永久に人間界には帰れない。それどころか、デジモンとして生きるという未来しか残されないのだ。古代十闘士たちはその案には猛反発を示したが、三大天使を始め、生き残った十闘士の仲間であるデジモンたちはその案に賛成した。
 人間たちは悩んだ末に、この世界の人柱になることを決めた。
 そして古代十闘士たちは世界を去る直前、最後の力を振り絞って人間にデジモンの力を与えた。生き延びるために、ヒューマン型とビースト型、両方の力を。そして人間たちは新たに十闘士という称号を引き継いだ。
 それにより人間たちはこの世界でデジモンとしての生を全うすることになる。だが、古代十闘士がこの世界から立ち去ろうという瞬間に、人間たちに異変が起こった。古代十闘士たちから力を得たことで、人間たちも呪いの影響下に入ってしまったのだ。その呪いの影響は古代十闘士たちには劣るが、この世界の中でまともに活動できなくなるものだった。
 苦渋の決断の末、人間たちは自分の身を守るために与えられた力と、自らの魂を二分割しスピリット≠ニして眠りにつくことになった。
 古代十闘士や三大天使はこうなってしまった結果を嘆いた。
 古代十闘士たちは惜しみつつも、人間たちのスピリットを三大天使たちに託してこの世界を去る。
 残された三大天使たちは、世界の安定の為にヒューマンとビースト、合わせて二十のスピリットを世界の各地に封印した。せめて自分たちが救った世界の様子を見守っていけるようにと。
 後に三大天使たちは古代十闘士たちの活躍の詳細とともに、人間という存在をできうる限り隠蔽した。スピリットや人間たちが悪用されるのを防ぐためだ。
 それが未来を奪われた人間たちへのせてもの償いであり、後のデジタルワールドにとっても最善だと信じて。
 その為に最低限の伝承しか残らず、ボコモンのガイドブックも不完全なものであった。

・世界のコアとサイドコア
 世界そのものの中核であるコア。そしてその周りにある世界を形作る十の要素を宿したサイドコアでこのデジタルワールドは成り立っている。コアは一つだが、サイドコアは十ある(炎 光 風 氷 雷 闇 土 木 水 鋼)
 コアはルーチェモンを作り出したものの、あまりの強大な力に世界が不安定になった。さらにルーチェモンが世界を壊し始めたこともあって、コアは安定を保とうとサイドコアの一欠片を異なる世界に飛ばす。それらは人間界にたどり着き、人間の子供たちを選び、宿った。それが後のアグニたちである。
 だが世界の欠片はあまりにも強力なもので、アグニたちの人生を大きく狂わせるものでもあった。

・デジタルワールドの時間の流れ
 デジタルワールドの創世記はネットが世界に出始めたころ5.60年前。最初は人間界と同じ時間の流れだった。しかし、ルーチェモンが現れたことによりデジタルワールドが不安定になり、そこにアグニたちがやってきたことによって大きく歪んだ。結果人間世界よりもはるかに速いスピードで時が流れるようになった。
 そして古代の戦いが終わり、長い年月のうちにルーチェモンの封印が弱まった時再び世界が歪みはじめ、そこに拓也たちがやってきたことによって時間の流れが逆転する。
 最終決戦時、ルーチェモンが人間界に赴こうとし、2つの世界が一時だけつながったのを機に2つの世界の時間軸は再び元に戻った。

・十闘士
 古代十闘士の力を受け継いだ二代目十闘士。元々は人間。ヒューマンデジモンの名前は人間時だった名前からとられている。ビーストは仲間内で名づけあった。当時日本在住だった外国人の子供たち。デジタルワールドに来たとき、グロット以外の9人はまだ成人前の子供だったが七年の戦いの内に大人になった。チャックも見た目は子供だが、中身は立派な成人。
 復活した十闘士たち……特に悪の四闘士の性格はアニメ本編と大きく異なる。それはあくまでも進化する前のデジモンの性格であり、元になった人間の性格ではないからだ。

・人間としての十闘士
 上記のとおり彼らは拓也たちの5.60年前の時代を生きた人間。十人全員が孤児であり、同じ孤児院で育った。年齢はバラバラで唯一グロットだけが成人している。最年少は13歳のチャック。
 彼らの共通点は両親、または片親が日本人ではなく外人であるという点。そして彼らは全員は、親に虐待を受けたり捨てられたり、親が死亡したり殺されたりなどの壮絶な過去を持っている点がある。

・古代十闘士
 もともとはルーチェモンの支配に抵抗する力なき幼年期デジモンだった。
 そこでアグニたちと出会い、アグニたちに宿った世界のサイドコアの力によって成長とともに強くなっていく。
 その過程で獣と人、両方の力を自在に操れるようになり、世界で初の究極体デジモンになるまでの進化を遂げた。世界に与える力は絶対的で、ルーチェモンに荒しつくされてしまった世界では、古代十闘士の存在なくしては世界は成り立たないほどの強大な存在となった。

・ルーチェモン
 もともとは世界のコアがビーストとヒューマンの争いを鎮めるために作り出した神の申し子
 しかし、背負わされた使命と理想と現実の違いに心を痛め、心が壊れていったために古代十闘士たちに封印されることとなる。一度歪んだ心は封印されても元には戻らず、自身の理想を叶えるためには自らが世界を創造するしかない≠ニいう考えを持つようになる。コアに生み出され、コアの意志によって消滅させられた悲しい存在。

・三大天使
 彼らもまた、アグニたちと供に旅をして、アグニたちのサイドコアの影響を受けたデジモン。
 最初はルーチェモンの力の側面を受け継いだ部下であったが、ルーチェモンの独裁政治に反発し見限る。

・渋谷地下ターミナル
 もともと人間界とデジタルワールドは表裏一体の存在。人間界の渋谷はデジタルワールドとの境目が一番薄く、デジタルワールドと人間界を繋いでいる唯一の場所である。かつて古代十闘士たちと供に戦った人間たちは全員ここから、このデジタルワールドに迷い込んできたのだ。
 三大天使は人間と人間界の存在を隠したかったのだが、完全にその存在を隠すのも不可能だった。
 そこで三大天使はこの渋谷の地下、二つの世界の狭間にターミナルを作った。そして「人間界ではデジモンは存在できない」という情報を流し、見張りと称してトレイルモンたちに定期的な運行を命じていた。(一部真実を知るデジモンもいた。トイアグモンたちは三大天使の流した情報を知らず、人間界があるという情報だけは有していた。
 それはデジモン達への牽制でもあり、もし、再びこの世界に何かあった場合に再び人間たちの力を借りられるという打算があったからだ。
 そして、もしかしたらいつの日か、人間たちをもとの世界に帰せるかもしれないという、淡い希望も含んでいた。

・子供たちと十闘士
 十闘士たちは元は人間であり、自分たちの心を有していた。ヒューマンスピリットには彼らの人間的な心<rーストスピリットには野生的な本能≠ェ備わっている。
 ケルビモンが暴走しはじめた時、十闘士はルーチェモンの呪いのせいで目覚めることはなかった。しかし、拓也たち人間の体を借りて魂を進化させることにより、一時的ではあるがルーチェモンの呪いの力を凌駕して供に戦うことはできた。(しかし精神的には眠ったままである。一時的に精神が蘇ることはあった(拓也が一旦現実世界に戻った時など)
 悪の十闘士については手駒として使うために、ルーチェモン自身が呪いの効力を押さえていた。
 ルーチェモンが復活した時から徐々に呪いは消え、最終決戦の終盤時に精神は完全に目覚める。


・オファニモンと輝二
 そう言った経緯もあり、オファニモンは常に人間のことを知ろうとしていた。悪く言えば研究対象だったが。
 そしてオファニモンは人間の双子≠ニいう存在に興味を持った。その時に偶然生まれた輝一と輝二を研究対象とし、二人の成長を見守っている内に、オファニモンは双子が封印された光と闇を受け継いだ人間にどことなく似ていると感じるようになる。
 冒険の始まりの日、オファニモンは封印されていた光のスピリットを輝二に継承させようとしていた(輝一については闇のスピリットの危険性を知っていたために直接呼ぶことはしなかった。

・長編としての十闘士
 ルーチェモンが倒れさて拓也たちが人間界に帰還してから時間軸は修正され、あの冒険からデジタルワールドでは一年と少したっている。
 ルーチェモンが倒されたことによって自由に生きることができるようになった。水、土、鋼、木の十闘士も最終戦の時に復活して、それぞれの守護するエリアで自由気ままに暮らしている。


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