*いい夫婦の日
*甘甘を目指した。
*寂しがり屋な啓人と、甘やかすジェン。


 不意に背中に感じたのは、確かな重みとぬくもり。
 それに顔を上げると机の上に広げられたカードが視界にはいる。啓人は直前までカードを眺めていたみたみたい。
 それに今気づくぐらいに、僕は読書に夢中になっていたようだ。
「ジェン」
「なに?」
「呼んでみただけー」
 僕を呼ぶ声と腹部に回された手は、微かだけど震えていた。
 啓人は時折、寂しくなったり恐怖を感じるとこういう風に甘えてくる。今日はどっちだろう。
 あるいは両方かな。
 読んでいた本に栞を挟んで、眼鏡を外す。一瞬だけ視界がぶれるがすぐにもとに戻る。この瞬間はあまり好きじゃない。
 腹部に回された腕を外してから、向かい合うように啓人に向き直って座る。啓人の大きめな茶色の瞳は、ほんの少し涙で潤んでいた。そのようすは小さな小動物を連想させる。
「寂しいのかい?」
 問うかけると、小さく頷く。「せっかく遊びに来たのにジェンは本ばかり読んでるから」と、なんとも可愛らしい理由を返してきた。
「ほら」
 くすりと笑って両手を広げると、ふにゃりと効果音がつきそうなくらい柔らかく笑って勢いよく胸に飛び込んできた。勢いがよすぎて後ろに倒れそうになるけど、なんとか耐えて啓人を抱き締める。
 片手で啓人の柔らかい髪を鋤くように撫でると胸に額を擦り付けてくる。まるで子犬みたいだ。可愛い。
「ジェンー」
「なに?」
「好きー」
「僕は愛してるよ」
 そう返答してみると啓人は驚くぐらい顔を真っ赤にしたあと、はにかみながら「僕も」と笑った。


寂しがり屋の君へ

 いい夫婦の日とか言うから甘いのが書きたかっただけ。驚きの一時間クオリティだからツッコミ所満載。
 ジェンはそのうち間違いなく眼鏡をかけると思う。啓人はジェンの前ではすごく甘えたで泣き虫だと俺特。
 私の中で一番のバカップルは李啓です。何処にいてもナチュラルにイチャイチャする。主な被害者は周りの仲間たち。


20111122


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -