優しい闇と赤い光 ―― 輝一&レーベモン ――


 闇の闘士との出会いは、十年たった今でも輝一は昨日のことのように思い出す。
(誰も俺に気付いてくれない)
 スピリットである闘士と対峙した時、輝一は緩やかな漆黒の癖毛と不吉なまでに闇に映える赤い瞳の男を見た。
(寂しい。悲しい。苦しい)
 己が闇に呑まれていく最中、まるで輝一の心に同調するかの様に、男の漆黒の髪が黒交じりの淡い金に変化する様子も鮮明に思い起こせる。
(全てを壊してしまえば、楽になれるだろか?)
 だが、その鮮血のような赤い瞳だけは、変わることはなかった。
 そんな、もう会うことはないと思われていた赤い目の闇の闘士は、小さな獅子となって自分の目の前にいる。
(どう見ても……ライオンだよな)
 座布団の上で丸くなっている小さな獅子……レオルモンことレーベモンは、供に戦った十年前の姿とは程遠い。
 強く印象に残るあの赤い瞳も、今は澄んだ空の様に青い。獅子であるという点を除けば姿から彼を判別はできないだろう。それでもレーベモンだとわかったのは、過去の冒険でともに魂を合わせたあの感覚が教えてくれたからだ。これがなければ、到底信じられる話でもなかっただろう。
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