*甘? *マサ拓
男に姫抱きされるとか、正直すごい屈辱だ。でも満身創痍の体は思うように動かないからされるまま。情けないよなぁ、ほんと。
「礼くらい言ったらどうだ?」
「……助けてくれなんて言った覚えはない」
そっぽを向く俺に、若竹色の瞳を持つこの男はけらけら笑う。何がおかしいんだコノヤロウ。
「まぁ、別にそんなことを期待してるわけじゃねぇし、いいんだけどよ」
「じゃあ何が目当てだよ」
「お前とペアを組みたい」
「またそれかよ」
ハント中に突然俺の前に現れたこの男は、それ以降ことあるごとに俺の前に現れるようになった。
会うたびに何故かわからないけど「俺とペアを組まないか?」と勧誘してくるこいつは非常にうざい。
俺はハントを気ままにやっていきたいから、前の冒険の仲間たち以外とコンビを組む気なんてなかった。それなのに何度拒否をしても、こいつは俺を勧誘するのを止めない。
「だいたい、なんで俺な訳?」
他にも誰かとペアを組みたいハンターなんてゴロゴロいる。それに、こいつはそれなりに名が売れてるハンターだから、こいつと組みたい奴なんてたくさんいるはずなのに。
「なんでって、気に入ったからに決まってるだろ」
「気に入ったって……異端の俺をか?」
馬鹿だな。俺は他のハンターからも畏怖されているし、組んでいたってあまりいいことはないっての。
「異端だとか、んなことはどうでもいい。俺はお前がいいんだ」
「変な奴……っ!」
鼻で笑うとこいつはムッとした顔で、首筋に噛み付いてきた。ぬっと舌が這う感覚と、ピリッとした痛みの後に首筋から顔が離れていく。
突然のことに頭が回らなくて呆然とする俺に、マサルはニヤリとあくどい笑みを浮かべた。
「じゃあ助けた駄賃はそれでいいぜ」
首筋なら執着
(どの道、お前は俺のものになるんだからな)
勢いでかきました。すみません
2012026