忠誠とポリアンサ
月星祭の準備期間
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月星祭の準備期間月星祭。それはリカシア王国による夏の祭りだ。それが始まるのはもう少し先。それ騎士団は借り出され、今はその準備期間だ。
「ルーウェン。舞台にレイニィ回したぞ」
「では、当日はレイニィと二人で司会ですか?」
「そうなるな」
「でも、そうなるとキルは……」
「レイニィと変わった。本人が良いつっても、さすがに遊びたいだろ」
ルーウェンは困ったように笑った。その辺りは本人に聞かないと分からないが、レイニィのことだから目立ちたくないと思ってるだろう。そうルーウェンは思った。
「ルーウェンせんぱーい!」
「あ、キル」
「その呼び方、やめてくださいよ」
「キルアークは長いです」
「それに敬語も」
「これは癖ですから。それより、何か用ですか?」
「レイニィ先輩が捜してましたよ。引き継ぎが終わったら打ち合わせしなきゃって」
「そうですか。騎士長、これが片付いたら他に仕事ありますか?」
「今から打ち合わせしてこい。ここはキルアークに手伝ってもらう」
「分かりました。じゃあキル、ここはお願いしますね」
「はい!」
ルーウェンはミリギアスとキルアークに会釈して噴水広場へと向かった。
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