夢見た景色
虹は殺戮者の母
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誰にだって泣きたい時はある


泣かないのは涙がでないか決意が原因


なら、彼女はどちらなのだろう


感情の希薄か決意か


彼女は自分に蓋をしていた





虹は殺戮者の母






虹の闘いが終わった翌日、あたしの家に沢田を連れてヒサが来た。理由は何となく分かる。



(……争奪戦のことだろうな)

「こ、こんにちは」

「……とにかく上がって。立ち話することじゃないでしょう?」

「お邪魔します」

「入る」



律儀に言って、ヒサたちは部屋に入る。



「あれ、お客さん? ……昨日の……」

「オレは沢田 綱吉。こっちは……」

「ヒサトだ。ヒサト・プレナイト」

「……適当に座ってて」

「あ、手伝う!」



リビングのソファーに座っていた銘歩は、立ち上がって彼らとすれ違う。
台所からリビングが見える。殺風景なこの部屋が珍しいのか、沢田はきょろきょろと見渡している。



「テレビ、観るならどうぞ」

「え? あ、ううん」



落ち着かないでいるらしい。見渡すがぎこちない。ヒサは落ち着いて本を読んでいた。



「お待たせ」



コップを置いて、あたしは座る。銘歩も座るとヒサは話しを切り出した。



「お前ら、昨日次の対戦を聞かずに帰っただろ?」

「うん」

「明日の対戦は霧だ」

「……霧戦……。あいつ?」

「ああ」

「…………あたしにどうしろと?」

「見に来ないのか?」

「行く必要性が無いと思うけど」



コップを置く音が静かな部屋に響いた。

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