夢見た景色
証の指輪
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それは大切な宝


あたしにとってもあいつにとっても


手にすればどうなるかなんてわからない


継承者にだけ与えられるそれ


こちらの世界のための証





証の指輪






「ゔお゙ぉい。話にならねーぞぉ、こいつら」

「だったら俺が相手してやるよ。カス鮫」

「まだ日本にいたのか。キセキ」

「てめぇには関係ねえことだ」



銃を持ち見据える。彼は笑う。



「たたっ斬られろ! ゼロ!!」

「断る!」



重い太刀が銃に伸しかかる。



「何故そのガキを助ける」

「関係ないだろ。貴様には」



ネメシスを払う。それを避けられ間合いを取られた瞬間に銃で打つ。銃弾は剣で捌かれ弾かれる。



「関係はねぇが、あれ以来誰も寄り付かせなかったお前が護ってんだ。気になるだろうが」

「……ガキ殺しても後味悪いだけだろ」

「それだけかぁ?」

「それだけだ」



刃がぶつかりあう甲高い音が響く。銃声も轟き、爆発音まで響く。対峙して相手の動きを見る。隙を窺う。



(あいつの近くに沢田たちがいるってのは厄介だ。どうにかして離さないと)

「戦いに集中しやがれ」

「バカ言うなよ。集中してるっての」



嘘も方便。あいつらが逃げれるようにしないといけないと考えている。



「あいかわらずだな、S・スクアーロ」

「げっ」

「子供相手にムキになって恥ずかしくねーのか?」

「跳ね馬ディーノ」



なんでここに来るんだよ。



「その趣味の悪い遊びをやめねーっていうんなら、オレが相手になるぜ」



スクアーロは一瞬、思案した。しかし、すぐに答えをだした。



「ゔお゙ぉい、跳ね馬。お前をここでぶっ殺すのも悪くない。だが、同盟ファミリーとやりあったとなると上がるせえ。今日のところはおとなしく…」

「ぎゃっ」



スクアーロは沢田の髪を掴み、持ち上げた。



「帰るわきゃねぇぞぉ!!」

「手を放せ!!」



ディーノは鞭を振るう。スクアーロは火薬を放ち二人の間で爆発が起きる。煙から護るためか、とっさに顔を覆った。



「貴様とキセキに免じてこいつらの命はあずけといてやる。だが、こいつはいただいていくぜぇ。ゔお゙ぉい」



スクアーロが見覚えのあるエンブレムをこちらに向けていた。
そして、視た。視てしまった。



「……なんで」

「キセキ! 大丈夫か!?」

「なんでなんでなんで!!」

「どうした?」

「なんであれがあるんだよ!」



封印されたはずのものがなんで……。



「キセキ!」

「だってあれは……」



あれは、なんだ。思い出せない。あれのことを思い出そうとすれば頭が痛い。響くそれは思い出すのを拒否しているようだった

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