夢見た景色
相容れない者たち
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何で、どこで狂ったのだろうか


いや、最初から狂っていないのかもしれない


彼女のファミリーとあたしの兄弟


彼女とあたしは会った時から仇同士


相容れない存在だった


そう


あたしたちは会った時から相容れない関係だった





相容れない者たち






「ハヤト?」

「よう……」

「どうしたの」



何故かマンションの前にハヤトが居た。いつもなら綱吉君と共に登校する彼が何故……家の前にいる?



「……別に。し、心配してるわけじゃねーぞ!」



ああ、心配しているのか。彼はナディアのことも知っている。だからか。



「……お前、変わったな」



登校中、ハヤトが突然言った。自分よりも背の高い彼を見上げる。



「何でそう思うの?」

「あの人たちがいた時のお前を知っているから」



当然のように言うハヤト。思わず笑った。



「なっ! 何がおかしいんだよ!!」

「おかしくないわ。ただ、ハヤトらしくないなー、と思っただけ」

「はあ!? こっちは心配して……っ」



あたしはハヤトの背中を叩いた。軽くのはずが、少し強く叩いたみたいだった。



「ごめん。そんなに強くするつもりはなかった」

「あってたまるか! バカキセキが!」

「バ、バカ!? 誰がバカよ!」

「お前しかいないだろーが!」

「あ、あたしはバカじゃない!」



何でいきなりバカって言われなきゃいけないのよ。



「じゃあてめぇらしくいろ」

「は?」

「いつも通りいけ好かない態度取っとけ」

「それ、あたしがいけ好かないってこと?」

「態度がそうなんだよ。毎回毎回、死人みたいな目しやがって」

「誰も信用しなかった奴に言われたくないっての」



あたしたちは二人で、言い合いながら登校した。

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