夢見た景色
屋上の再会
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君が悪いわけじゃないんだ



仲間を守ろうとしたんだから



誰も何も言わないよ



君はすごく傷付いた



もう、傷付く必要はないんだ





屋上の再会





最近、同じ夢を見る。
金髪の女の子が『あか』で染まってる夢。

それは怖くて悲しくて、とても殺伐としていた。
その金髪の女の子は君に似ていた。



「おはよう、姫昔」

「おはよう、綱吉君」



契斗さんから話を聞いて一週間が経った。
何で知らないけど、この一週間、姫昔が俺を殺しに来ることはなかった。



「最近元気ないけど大丈夫?」

「大丈夫よ。あんたは自分の命の心配したらどうなの」

「……姫昔」

「何」

「泣いてたの? 目が腫れてる」

「…………関係ないでしょ」



姫昔の過去を知ったからかな。
前は理不尽とか思ったけど、違う気がしてきた。



「姫昔って意地っ張りだよね」

「いきなりケンカ売ってるの?」

「そ、そういう意味じゃなくて!」

「わかってるわ。あの人達にもよく言われたから」

「……それって……エルフさんとドライさんって人から?」



言った瞬間、姫昔は目を見開いた。



「何であんたがその名前を知ってるのよ」

「え、あの……」

「今まで誰にも言わなかったのに!」

「きせ……」

「何であんた知ってるのよ!?」

「契斗さんとリ……」

「奴らか!」



キセキは教室を飛び出していった。



「姫昔!!」



泣きそうだった姫昔の表情が、脳裏に焼き付いた。

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