夢見た景色
逃げない心
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あたしが嫌いなのは弱い自分


弱さに反逆できない自分


だけど、現実は受け止めるよ


あんたの為に


何より、自分の為に





逃げない心






教室で嫌がらせの対象になったあたしは応接室に居座ることが増した。

教室に居づらいのと、綱吉君のことが原因。



「どうしたの? 最近、頻繁に来てるけど」

「何も。ただ、面白くないだけ」

「…………荒らされてる靴箱、君のでしょ」

「何のことかわかりかねる」



キセキは閉じていた目を開けた。



「僕をごまかせると思ってる?」

「ごまかすも何も、あたしは何も知らない」

「だったら、何で君宛ての手紙と一緒に靴箱が大変なことになってるわけ」

「知らない」



キセキは『知らない』を突き通す気でいる。
雲雀はそれに気付いているからこそ、キセキに何も言わないでいる。

だが、それにも限度がある。



「沢田と話したかい?」

「は?」

「姫昔、この状況になってから沢田達と群れてるのを見てないから。むしろ、人と一緒に居るのを見てないよ」



確かにナディアに絡まれてから話してない。リボーンやヒサとすら全く。



「前は少しでも話してたでしょ」

「……彼らはナディアといるよ」

「知り合いなの? あの転校生と」

「両親を殺したことがある」



雲雀の動かしていた手が止まった。
そのままキセキに目を向けた。



「言わば仇ってわけよ、あたしは」

「だからこの状況を受け入れるって?」

「そう」



雲雀は意味がわからなかった。

そのことの為に受け入れる意味が。

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