人の話は聞きましょう

レン様が女性ユニットにライドしたらみたいな勝手なイメージを押し付けた話です。会話ばっかりです。
ここまで読んでアウトならブラウザバックが賢明かも…


「ねえねえ櫂くん!」

「なんだ、アイチ」

「レンさんがネヴァンにライドしたら絶対似合うと思うんだけどどう?」

「何…?」

「だから、レンさんってネヴァンの格好凄く似合うんじゃないかってこと!」

「何を言っている?レンにはマーハの方が似合うに決まっているだろう」
「レンがツインテールだぞ?あの綺麗な赤い髪がツインテールに結い上げられてるんだ、マーハのが似合うだろ」

「うーん…じゃあとりあえずイメージしてみよう」

〜イメージしろ!中〜

『ちょっ…なんなんですこれは?!』
『これは、…髑髏の魔女ネヴァン、?』

自らが纏っているやけに露出の多い服を見て、何故か冷静に対応してしまうレン。

「うわあああああレンさん美しいいい」

「っ…」

「あ、櫂くん赤面してるー」

「うるさい!」

『あっ…!櫂…!!』

櫂の姿を見つけて、涙目になりながら赤い顔で睨み付けてくる彼に、アイチは羨望の眼差しを向けつつ櫂を弄ることに専念した。

『え、あ…ちょっ、なんですかこれ?!』
勝手なイメージという妄想に浸るアイチと櫂の前に再び現れたレンの霊体は、漆黒の乙女マーハの格好だった。

「…レン!!」

『もうなんなんですかこれ意味分かんないんですけど!』

今にも泣き出しそうな顔をしたレン(霊体)とそれを抱き締めようとする櫂(霊体)。

アイチが「これはこれでありかも」などと考えていると、何故か二人のイメージの世界に二人の人物が乱入してきた。
それは、

「レン様には何よりナイトメアペインターがお似合いなのよ!男の娘!!」

「レンにはアリアンロッド、カロンあたりが似合う」

FFAL4のアサシンこと鳴海アサカとジェネラル、新城テツであった。

「テツ…?!」

「アサカさんにテツさん?!どうしてここに…?」

二人は多少驚きはしたものの然程ではなかったようだ。だが、ここで一番大ダメージを食らったのは当然レンで。

『テツ、アサカまで…!何を、』

「ああ、レン様…!お美しいです…!」

『…』

呆け面で突っ立っているレンを見て興奮するアサカ他。

『うう…』

レンは俯き肩を震わせていた。
泣いている、そう直感した櫂がアイチに告げる。

(これ以上はやりすぎだ、泣いてる)

(あ、ほんとだ…)

内緒話でもするかのような小さな声で会話する二人。
既に時遅しということに気付いていないのだろうか?

『…ばか、僕が何したっていうんですか…?』

ぐすぐすと泣きながら訴える今のレンにはFFAL4のリーダーとしての貫禄、威厳など微塵も感じられない。

ただ徒に嗜虐心を煽るだけだ。

「レン様…?」

唯一アサカだけは心配そうな表情で窺っているがその他の面子は可愛いなあ、等と考え好き勝手なイメージを膨らませているだけで心配など欠片もしていなかった。

『誰ですか、こんな意地の悪いおかしなことを画策したのは?』

張本人であるアイチを始めとした一同は押し黙ったままである。

『…君たちみたいな変態は嫌いです!』

噛みつくような勢いで言ったレンは、その直後に場の空気が凍り付くのを感じた。

「変態…だと?」

「僕たちが変態…?」

「こんなイメージを僕たちに膨らませてしまうようなあなたが悪いんですよ、レンさん」

PSYクオリアに呑まれていたあの時の様に、背筋を這う低い声。

『っ…そんなの理不尽です、おかしいですよ!』

「レン、男には行動しなければならない時がある。分かるな?」

『分かりませんよ!もうどうしたんですか櫂?!』

つかつかとレンの方へ歩み寄る櫂。
どうした、キャラを忘れたのか。

「あ、自分だけレンさんとイイコトしようなんて狡いよ櫂くん!」

『ちょっと何言ってるんですかアイチくん?!僕にあれだけ言ったんだから(※64話辺り参照)嫌いなんでしょう、意味がわかりません!』

「アイチ…これは俺とレンの問題だ。二人で解決する」

『僕の話を聞いてください、ほったらかしにしないで!』

「…分かったよ櫂くん、でも後で僕にもレンさん貸してね?」

『もうやだこの人たち』

本人が目の前にいるとは思えない壮絶な話し合いを見て僅かに顔を赤らめるテツと悔しそうにギリギリとハンカチを噛むアサカ。

「私が男だったらレン様に…なんで私は女なのよ!」

そう言って隣のテツの腹をひたすら殴る殴る。
しかしジェネラルは格が違った。微動だにしない。


『僕の処女は誰にも渡しません!というか僕はネコじゃありません!!』

「「なんだと…?!だがバリタチなレン、いい(ですね)!!」」

『もういやあああ』



***
タイトルの通りです。
というか私が言いたい事を櫂くんたちに言ってもらっただけです大変申し訳ございませんでした。



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