僕を想ってくれていたのはきみだったのだろうか
少年は涙に溺れて消えていきました
ライムの哀情
嘘の空箱
易々と愛されてはあげない
さよならのかわりにぼくを置いていきたかった
壊れてしまえばよかった
だからってそうやって枯れた頬を引っ掻いたってあなたが抱きしめてくれるわけじゃなくて
知ってるよ、そんなの
あのひとの香りが体内を満たして呼吸すら奪ってしまう
干からびた舌で骨をなぞって
尖った歯で血管をちぎって
きみをぼくの中に嫌というほど刻み付けておこう
(嫌、なんて、思うわけがないけれど)
ふいに闇が呑みこみにくる
ひとつずつ腕の中から盗まれていく
当事者だけの秘密は卑怯な彗星に奪われた
あなたの温度が消えた
あと3つだけだよ
もう何もこの眼には映らない
そうやって、いつか、なにもかも煙管の煙のように消えて
ぼくは苦しさだけを抱えてきみのことすら忘れてしまって
いつかきみを、憎むかもしれない
そんな現実はやめて甘いうそにだけ浸っていたい
戯言だと聞き流してもいいからただ知っていてほしい
とっくに壊れた心だとしても、想いだけは最初のまま、うつくしいままだから
だから、どうかせめて、意識も記憶もぜんぶぶっ飛んじゃいそうなぐらいの、この世で出来る限りの極上のセックスを一晩中してから、それからぼくを、ころしてね
いつかきみを憎む前に、
(さよならを、するね)