「やぎゅーここの英文分からないナリ」
今俺は柳生ん家で柳生と一緒に勉強してる。
「あぁここですか?…これは」
「こっちきて教えてくんしゃい」
満面の笑みで自分の横の床をポンポンと叩いて柳生を呼んだ。
「…わかりました」
渋々といった様子で柳生は俺の隣へと移動した。
「柳生、窓の外見てみ」
「え?」
俺は窓の外を指差した。
外には白い雪が降っていた。
「急に冷えたと思ったら雪が降っていたのですね」
「柳生は雪嫌いか?」
「若いときは雪が降ると嬉しかったですが、今はそれほど何も思わなくなってしまいましたね…」
「若いときって…まだ14の奴が何言っとんじゃ」
「でもこの雪の色は好きですよ」
「色?」
いきなり近くなった柳生の顔に驚いた。
すると柳生が俺の髪を撫でた。
「はい、まるで仁王君の髪みたいに綺麗な銀色」
柳生は唐突にこんな恥ずかしいことを言い出す。
詐欺師の俺でさえ柳生の言葉には不意をつかれる。
「仁王君、顔赤いですよ」
「み…、見んな!」
柳生がクスクスと笑っている。
どうも柳生には俺のペースを乱されてしまう。