amour<1>
拝啓柳生比呂士様
私の誕生日に仁王君からアンティーク調のオルゴールをいただいた。
私が以前から欲しがっていたものを彼が覚えていてくれたのだ。
大学も決まり一人暮らしのために引っ越しの準備をしていた。
その準備中に仁王君から戴いたオルゴールを誤って落としてしまった。
急いでオルゴールを確認したが壊れてはいなかった。
すると底の板が外れ中から手紙が出てきた。
封筒には「柳生比呂士様」と見慣れた字で書かれてあった。
紛れもなく仁王君の字だった。
元気か?
手紙を見つけられたんじゃな。おめでと。
見つけるまでどれだけかかったじゃろうね。
もしかしたらこのプレゼントをあげてすぐ、もしかしたら何十年後かもしれない。
まだ学生かも、もしかしたら社会人、もしかしたら俺が死んでしまっているかもしれんな。
まぁ見つけてもらえないよりかは良いが。
前置きはこの辺にしておいて、本題に移らせてもらうぜよ。
以前俺が「俺がいきなり柳生の前からいなくなったらどうするか」と聴いたのを憶えているかの?
柳生は「死ぬ気で探します」と言ってくれたんじゃったな。
あの時は笑って返したが、本当はとても嬉しかったんよ。
そこで俺から1つお願いがあるんじゃ。
俺を探してくんしゃい。
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続きものになります。
去年から書いていたんですがひとまず冒頭だけ載せました。