「キタナイキタナイ」
バシャバシャ
蛇口を思い切り捻り、必要以上の水を流す。節水なんて考えない。
ハンドソープを2プッシュ
手のひらを洗い、手の甲を洗い、指の股を洗い、親指を洗い、指先を洗い、手首を洗い、肘まで洗う。
付いた泡を肘から1回で洗い流す。
新しく出した新品のタオルで手を拭く。
最後にウェルパスでアルコール消毒。
「………」
もう一度蛇口を捻り手を洗い出す。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も
洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。洗う。
「柳生」
水を止められた。
「手、真っ赤ぜよ」
手を見ると洗いすぎたのか手が真っ赤に腫れていた。
腫れただけならまだしも、血まで滲んでいた。
「ホントですね、真っ赤」
別に驚かない、いつもの事だから。
仁王君は私の手を舐める。
「鉄の味」
「当たり前です、血ですから」
彼は私の傷を指先でなぞる。少しピリッと痺れた。
彼の顔を見ると悲しそうな顔をしていた。
「俺、柳生の手好きじゃ、だからこれ以上痛め付けんどいて、な?」
「…貴方がそう言うなら」
彼が救急箱を持ってきた。
消毒薬を塗り、滅菌ガーゼを乗せてテープで固定する。そして慣れた手付きで包帯を巻き始めた。
「…上手くなりましたね」
「何度やってると思ってるんじゃ」
「でも包帯は蒸れるから嫌いです」
「柳生が包帯ないとすぐガーゼ剥がすからじゃろ」
包帯の巻き方を教えたのは私。
彼に包帯を巻かれるとまるで。
「なんか仁王君に束縛されてる感じですね」
「束縛嫌い?」
「いえ、嬉しいですよ」
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オチがない/(^o^)\
潔癖症な柳生さんを書きたかっただけです。