※柳生が変態です。
「あぁ…なんて綺麗なのでしょう」
声が聞こえた。
目蓋が重い。
頭が痛い。
…何が起きた?
俺は一人で路地を歩いていたらいきなり頭に激痛が走って…。
頭痛に耐え目を開けた。
目の前には見知らぬ部屋。
「目が覚めましたか?」
後ろから声がした。
いきなり髪を触られゾクッとする。
後ろから現れたのは眼鏡の青年だった。
すると手を伸ばし俺の頬を擦り始める。
「なっ…」
「綺麗…全てが綺麗…」
その青年は恍惚とした顔で俺を舐め回すように見た。
その目に何か危険を察知して動こうとしたが動けない。
自分の体を見ると縄で椅子に縛り付けられていた。
「お前…早くほどきんしゃい!」
「はぁ…その目…恐怖に反抗する目…最高ですね…」
彼を睨み付けたが彼には逆効果だったらしい。
「お前、俺に何か恨みがあるんか!?」
「恨み…?そんなものあるわけないでしょう」
青年は当たり前だというような顔をした。
「貴方は綺麗…綺麗すぎる…だから手に入れたかった…ただそれだけの事です」
その間も俺の頬を擦り続けていた。
挙げ句の果てに顔を近づけたと思ったら唇を舐められた。
「なっ…何するんじゃ!!」
青年は舌舐めずりをして、妖艶に口角を上げた。
「美味しい…」
こいつ狂っとる…。
すると首筋、鎖骨、耳と次々と舐めてきた。
「くっ…」
今まで感じたことのない感触で背中がゾクゾクした。
ヌメっとした唾液と生暖かい息が合わさって気持ち悪い。
「や…めろっ!!」
動かない体で必死に抵抗する。
「止めて欲しいなら私のモノになってください」
耳元で囁かれた。
すると俺から一歩離れ満面の笑みを見せる。
「は…?」
「一生私と共に生きてくれさえすれば良いのです」
混乱しているなかで必死に考えを巡らせた。
今身動きが出来ない状態でさせるがままに成るよりも、自由になって逃げる機会を伺った方が良い。
それが俺の判断だった。
「…わかった」
「では今から貴方は私のモノですね…」
その青年に捕まった時点で俺に自由などなかったのだ。
(さぁ、私の元へ墜ちておいで。)