あとには引かぬ‐5
図書室に戻って一息ついたあと。
いつ告白をするのか。
紗枝の頭はその問題で占められていた。
連絡をして、会う約束をとりつけて、がいいかな。
やっぱり直接言いたい。
本気なんだって、伝わってほしい。伝えたい。
「連絡…」
何て切り出せばいいんだろう。
何もなかった風に言うのもありなのだろうけど、何だかそれは駄目な気がした。
というか、私が何もなかったことにしたくないのだ。
会って、言う。
…会って
……会って
「…〜っ」
がくんっと頭が下がった。
だめだ、会える気がしない。
どうしよう。もう彼の顔をまともに見れない。
だって、恥ずかしすぎる。
「…どうしよう」
好きです。付き合ってください。
紗枝は心の中で呟く。
予行練習は、念入りに。
だけど、肝心の決行日はいまだに決まらない。
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