運命の人 | ナノ


近づく‐3

「ぶふっ…!」

「…高尾。何を笑っているのだよ」

「いっ、いやだってさぁ、昨日までと全然顔ちがうっつーの」

「…別に何も変わっていないだろう」

「まあ普通は分かんないだろうけど。俺からしたら花ぐらい飛ばす勢いで笑ってるように見えるって」

「そんなの飛ぶわけがないだろう。笑ってもいない。無駄話はいいから早く部室に行くのだよ」

「…へいへい」


紗枝ちゃん、真ちゃんに連絡したんだな。

ほっとした。まだ恋人という関係にはなっていないんだろうけど、これで一段落ってとこか。


高尾は相棒の背中を見て思った。

早く素直になって安心させてくれ、と。





2人の再会の時は近い。




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