「羊のアホ毛ってどうなってんだ?」
「…なに?それが哉太の成績アップに繋がるわけ?」
「ってめー!!!!!」
「今日はツンツンですなあ」
今日は天文科四人と私で勉強会です。そして勉強に飽きた哉太が羊を弄りはじめました。お前暇なら寝てろよもう。
「でも羊のアホ毛は私も気になる」
「咲月まで!」
「ねえどうなってんの?某国擬人化漫画の主人公みたいに性感帯的な何かなの?」
「咲月、その発言は色々ギリギリだからやめろ」
「もう!なんだっていいじゃないか!僕にだってよくわかんないんだよ!」
「抜いていい?」
「咲月話聞いてた!!?」
聞いてません。聞こえません。ぷんぷん怒る羊に合わせてひらひら揺れるアホ毛をピン、と弾いた。
「痛」
「ええええええ!!?嘘でしょ!!?アホ毛に神経通ってんの!!!!?」
「抜いていいか?」
「か・な・た!!!!!!!!!」
アホ毛を巡ってぎゃあぎゃあ騒ぐ哉太と羊を楽しそうに見ている月子ちゃんと錫也。 二人にも聞いてみる。
「錫也と月子ちゃんは気にならないの?あれ」
ハーフの頭上でぴょこぴょこ踊るアホ毛を指差す。月子ちゃんは、うーんと考えたあと、珍解答を答えて下さった。
「抜いたら何か生まれそうじゃない?」
「月子!!?なにが生まれるというの!!?」
あまりの衝撃発言に、思わず驚愕する羊。必死の剣幕に喧嘩相手の哉太もびっくりしている。 まあまあ、と羊をなだめながら錫也がフォロー。
「それ(アホ毛)もまた羊の特徴なんじゃないかな」
「錫也…!!」
「まぁそうだよね、私も羊のファーストインプレッションはアホ毛だったし」
「なんで普通に第一印象って言わないんだ咲月」
「で、結局それは抜いていいの?」
「またその話!!?今街のケーキ屋の話してたじゃん!どうしてこうなった!」
勉強会も終わり、五人でだらだらと話していてふと羊のアホ毛が目についたので言ってみた。今日の羊感情的だなあ。
そして同じようにぴっこぴっこ動くアホ毛。
「あ、実はそっちが本体とか?」
「そっち!!?そっちってどっち!!!?」
「もう面倒だから抜こうぜ」
「やめてよそんな畑から大根引っこ抜くような言い方!!!」
取っ組み合いを始める哉太と羊を、月子ちゃんと錫也がなだめて私が茶茶を入れる。
「まあまあ落ち着いて、二人とも」
「羊もそんなカリカリしない」
「醜い争いするとそのアホ毛抜くよ」
「被害者僕だけじゃないか」
まぁそうなんだけど。羊はぷくーっと頬を膨らませると、拗ねたようにそっぽを向いてしまった。
「拗ねたな」
「拗ねたね」
「もー…だめだろ、二人とも」
「ごめんなさーい…」
こうして羊のアホ毛は四人の中で迷宮入りとなった。もしアホ毛の話題に触れようものなら羊がものすごい剣幕で食ってかかってくる。
彼の秘密
--------------藤城さん
わあいリクありがとうございますー! 春組+月子だったのに錫也が超空気ですよね…ごめんなさい笑って許して。 春組は個人的に好きなので楽しく書かせて頂きましたー!締めがおかしいとかツッコミはなしで!←
ありがとうございました!
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