イライラ、する。と同時に心の隅っこで、なにかもにゃりりとしたものがある。そんな気がする最近。

しかも、それがあると実感するとき、いつも同級生である咲月と生意気な後輩である木ノ瀬が関連しているときなのだ。なんだこれは。この気持ちはなんだろう。




今日は、弓道部で夏休みの課題の追い込みにかかるということで昨夜夜久から連絡がきた。そして偶然図書館で課題をしていた咲月に会い、弓道部と咲月というメンバーで勉強会をすることになったのだった。

そして相変わらず俺はそのもやっとしたものの正体はつかめないままだった。課題に集中できなくて、向かいの席で咲月と木ノ瀬がなにやら言い合っているのをぼんやりと眺める。

「As such as thing, you have better…」

「先輩、僕のこと呼びました?」

「呼んでねえよ。今の英文でどう梓くんを呼んだととれるんだよ!」

「え?『あずさっち』って呼んだじゃないですか」

「あず、さっち、あず!しんぐ!だ!ばか!ただの英文だよ!!!大体私が突然『あずさっち』って呼ぶかよ!」

「呼んでくれてもいいですよ。咲月先輩なら許可します」

「ううん、遠慮するね、木ノ瀬くん」

「距離感!!!!」

木ノ瀬を振り切って再び英語の課題に取り組み始める咲月を見て、ふ、と笑いが込み上げた。相変わらず面白い奴だ。

と、同時に込み上げるもやり。

これは、なんだ?不快さに顔が歪む。思わず片手で目頭を押さえてしまった。


















「咲月先輩…」

「なに木ノ瀬くん」

「心の底からごめんなさい」

「……なに、梓くん」

「さっきから宮地先輩の表情がコロコロと変わるんですけど」

「目を覚ませ梓くん」

「寝てませんって」

「え、だって、龍之介くんだよ?梓くんは武士がしょっちゅう表情変えると思うの?」

「武士どころか現代人でもそんな表情コロコロ変わる人はいませんよ」

「そりゃそうだ」

しかし龍之介くんだぜ?そんなことあるのか?あ、ひょっとして体調悪いんじゃないかな。安否を確認してみよう。

「龍之介くん龍之介くん」

「む、なんだ?」

「あのさあ、お腹痛いとか、ない?大丈夫?」

「大丈夫だが…?」

何言ってんだこいつ、という顔をされた。きっと梓くんを睨むと、彼は欧米風に肩を竦めてやれやれ、と反応しただけで自身の課題に取り掛かり始めてしまった。こ、こいつ。

仕方ない、私も再開しますかとシャーペンを取ったとき、龍之介くんが「ああ、でも」と思い出したように呟いた。

「お前と木ノ瀬が話しているのを見ると、なんだかもやっとする」

「モヤッと?」

「ああ」

なんだそれ。梓くん、どういうことかわかる?と聞くと、梓くんは私と龍之介くんを交互に見比べてから意地悪を思い付いたような笑みで笑って言った。

「わかりますけど、先輩方には秘密です」

「え、なっ…!!」

「ええー」

龍之介くんが怒ったのは、言うまでもない。…しかし私と梓くんが話してるともやっとするのか…。一体どういうことなんだろう、な。


















り、
消えないこの気持ち


















-----------------緋和さん

もやっとした気持ちのことを「なんかこう、もにゃりりとした…」と使うのは私だけみたいですね←
緋和さんも是非使ってくだs(ry
リクありがとうございました!








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