麗しきふたりへ






喧嘩をしました。
そりゃあ私たちだって言うなれば他人同士だもの。相容れないときだってあるさ。価値観の違いってやつだね。でもね、今回はね、

「私は悪くない!」

「まあまあ落ち着きなさいな」

「ひーん!笑せんぱあい!」

あまりにもりんたろーくんが口を利いてくれないので逆ギレして教室を飛び出した、ら、笑先輩がいたのでそのままその胸に飛び込んだ。
笑先輩はびっくりしていたけど私のぐしゃぐしゃな泣き顔を見て察してくれて、ここ屋上庭園まで連れてきてくれたのだ。

「さっ理由を聞こうじゃないの」

私の頭を撫でながら、笑先輩が爛々と輝く瞳で私の話を促す。

「…………せんぱい楽しんでませんか…?」

「っや、やだなあそ、そんなことないよお!ふは!」

「…………」

そうかしら。
まあいいや、せっかくだし聞いてもらおう。

「あのですね…、」


刧刧


満さんと喧嘩した。
価値観の違いってやつだ。何度言っても彼女は俺の言ってることを理解してくれないので、だんまりを決め込んでやった。
そしたらいきなり泣き出して、飛び出していってしまったのだ。……あれこれ俺のせい?いやいやそんなバカな、ね。俺は正論を言ってるはずだから悪いことなんてひとつもしてないはず。だというのになんだこの罪悪感は…。

「気分悪い…」

「あれ、何してんの倫くん」

「……咲月ちゃん」

教室を出て、ずるずると廊下を歩いていた。が、あまりの気分の悪さに壁に寄りかかって休んでいたら、向かいから本を何冊か抱えた咲月ちゃんが慌てて俺に駆け寄ってきてくれた。

「大丈夫?気分悪いの?星月先生のとこ行く?」

「あ、いや、だいじょぶで、」

「お姫様抱っこしてあげようか?」

「いいです!!!」

さすがにそれはちょっと男として嫌だというかなんというか。
咲月ちゃんは「冗談よ」とクールに笑ったが目がマジだった。怖いよ。

「あれ、今日は満と一緒じゃないのね」

「……っ」

ずきん

その言葉に胸が痛む。喉の奥から吐き気がした。「倫くん?」と覗き込んでくる咲月ちゃんの腕を掴むと、咲月ちゃんはびっくりしたように目を丸くした。

「…咲月ちゃん、ちょっと聞いてくれる?」

「…私でよければ」

「あ、あのですね、」


刧刧


「あー、もしもし笑ちゃん?」

『はーい笑でーす。ちょっと咲月いつまで課題図書選んでんのさ』

「そっちこそ今どこにいるの」

『え?屋上庭園』

「教室で待ち合わせじゃなかったっけ?」

『…あーっと、そうでした。いやほら、仕方ないじゃん満ちゃんのお悩み相談会してたんだから』

「あら、満そっちに居たの?」

『ん?』

「いや、こっちはこっちで倫くんのお悩み相談会してたから」

『ふは!まじかー』

「うん。あの2人ってばほーんと手がかかる奴らだよ」

『ふは、全くだね』

「…………」

『…………』

((ま、可愛いからいいんだけどね))


刧刧


「ふええごめんねごめんねりんたろーくん!!」

「こっちこそごめんね満さん!」

「好きだよ!!!」

「お、俺も…ですよ」

仲直りしました。










◎意味がわからない…(書いといてお前)

とりあえず姉貴分な神話科コンビを出したかったんですねー
笑ちゃん好きだわあ

あっ喧嘩の原因はご想像にお任せします




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