不器用な僕ら
色白で、細くて、ペンを持つ指はまるで白魚のようで。
私に無いものを持つ琥雅をじっと見つめていると、彼はこちらを見ずに失笑した。
「何見てんの?やめてくんない欲情するから」
「……あんた何言ってんの」
この作家は(作家だからか?)表現がストレートすぎてたまに何を言ってるのか理解できない。
「ならカラダでわからせてやろうか」
わざわざペンを置いて、ベッドに横たわる私の太ももを撫でてくる琥雅。くすぐったいな、何しやがる。
「イテ」
持っていた本で奴の頭を軽く殴打すると、琥雅は口を尖らせて私を見た。
「………お前ってホント……」
何よ。文句があるなら言ってみなさいよ。
「なんでもねーよ」
やれやれ、と言いながら再び机に向かう琥雅。私に安穏な時間が訪れた。よし読書再開だ。
「………これだから処女は」
「…あ!?」
思わず起き上がると、琥雅は維持の悪そうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「くっ……!!」
おっ…あ……さ、さっきのはそういうことか……!!?
「〜〜〜っ…!」
急に恥ずかしくなった私はカバンをひっ掴むと、後も振り返らず飛び出した。う、うわああああん!!!
「あ」
残った琥雅が1人、「また逃した…」と呟いたことなど知るよしもない。
あぶない。R18になるところだった。琥雅くんの色気パワー恐ろしあ