※学生パロディ



下敷きの使い方はまるでこれが一番正しいとばかりにノートに挟んで使ってるやつよりも明らかにそれで扇いでるやつが大半を占める教室で熱心にも英単語をつらつらと並べて黒板に書き記している。左手に持っている下敷きの動きは一切変えずに適当にノートを埋めていく。後から、後悔するのは自分だってわかっていても暑すぎて今ある現状をどうにかしたいとしか頭は働かない。そりゃあそうだ。人間ってほんとにその場の欲に忠実だよなぁと思いながら終にはなけなしの右手のシャープペンシルを筆箱に戻した。正直、この暑さで居眠りさえもしづらい。だるい。放課後になって狗木ちゃんをからかいながら見ているのもめんどくさいだろう。そりゃ、俺の過去を現しているようで正直、見ていられない狗木ちゃんを心優しく諭すのも俺の良心が疼くからだ。でも、今日くらいは良いだろ。別に誰に許可される訳でも無いし。机の上をまっさらにして持ち帰るものを全部カバンに突っ込む。英語教師が課題のプリントを忘れたとかで取りに行くらしい。タイミングの良さに笑ってしまう。チラリと窓から外を眺めると他校生の癖に何故かチャリを乗り入れている六条が携帯を見ていた
。僅かに光る自分の携帯のライトにメールの内容を確認もせずにそのまま窓を全開まで開けて、ユラユラ揺れていたカーテンを割いた。机に上履きのまま乗っかりそのままダイブ。


「ろくじょー!!キャッチ!!」

「ハッ!?アホか!!」


勿論、落ちる前に叫んだのだがそこから数瞬あれば良いくらいの間隔で落ちたので了承なんかされてないけど六条は地面にそのまま激突させるつもりではないことがわかったので安心して地面に二人で倒れ込む。あー、いてー。


「なんだよー、ダッセーな!ヒーローなら今のところかっこよくキャッチしただろうが。」

「っせーよ!!お前みたいな野郎を出来るわけねーだろーが!つかなんでお前飛び降りてくんだよ!!普通に昇降口から出ろよ!!まじ意味わっかんねええええ!」


下で熱いアスファルトに座り込みながら怒鳴る六条のせいで学生がちょいちょいこちらを見始めてる。あー、先生来たらやべえから早く行こうぜ、早く。先に立ち上がり、六条がカバン突っ込んでたチャリを叩いて早く行こうぜ、と示す。まだ何か言い足りないらしい六条だったが、っあー!!と叫んで鍵を差し込んだと思えばあっという間に出発しようとしやがったので荷台に急いで飛び乗って肩に手を置く勢いで抱きついた。


「うわっ!?おまっ!暑苦しいんだよ!」

「六条がいきなり漕ぎだそうとするからだろー。」

「わーかったから!!普通に乗れ!!」

「はいはい。」


飛び乗った勢いを抑えて、ゆるゆると荷台に腰を落とす。六条のワイシャツを掴んだら普通に熱くて、どんだけ今日暑いんだよ、と小さく溜め息を吐きながら思った。とりあえず涼しいとこ行こうぜー、ファミレスで良いよなとダルそうな声を上げる六条はギコギコとペダルを回し続ける。首筋から汗が伝い落ちているのを見て、べろりと舐めてみる。そしたら、車体バランスが崩れ、あ、これ倒れると思ったもののなんとか踏みとどまった六条が首筋を手で押さえてこちらを勢いよく振り向いた。


「何してんのお前!!!」

「んー、六条の首筋舐めた。」

「なんで!?」

「…………なんとなく?」


そう返せば心底訳が分からないとでも言いたげに熱くて真っ赤な顔を更に真っ赤にさせておっまえまじ意味わかんねえ!! と叫んでいた。ああ、お前の首筋しょっぱくて甘くなかったと返せば当たり前だろうとまた叫び返された。その内容に少しばかり疑問を感じてくそ暑い炎天下の下で止まっている自転車の運転席と後部座席の距離を更に詰めて耳元に近づく。暑いから寄るなとか喚いてるがとりあえず無視。


「だってお前、俺の首筋舐めたらいつも甘いだとか言うくせに。」


片手しか自由のない六条は思いっきり俺との距離を開けて、でも自転車上で大した距離なんか開けられずに声にならない叫びを上げて四苦八苦している。急遽前に向きなおした六条はペダルに足をかけ始めた。その様子を見ながら同じように先程の体勢になる。明らかにファミレスを過ぎてこの先にはクーラーなんか通っていない暑すぎる公衆トイレしか無い。自転車を乱雑に止めたと思ったら腕を引っ張られて、あいつ鍵をかけるのもカバン忘れてんじゃんと頭の片隅で思いながらそのままされるがままについていった。もやもや暑くてこんなとこでする気になるなんて六条も大概だな、なんて思いながらゲラゲラ笑ってしまった。


「なんでさっきよりあっちーとこにわざわざ来てるんだよ。」

「うっさい!」


「今日の六条叫んでばっかだな。」


全部お前のせいだろうがと言いかけたんじゃ無いかなっていう唇を塞いでそのまま停止してやれば、がっつくようにそのままノってくれる六条に任せる。角度とかそんなの関係無しにただ好き勝手にやるだけだけどそれが好みだから気にしない。放れると公衆トイレ独特の匂いが鼻について仕方ない。


「あー、お前で呼吸してたい。」




【サマーダイビングワールド】



(お前、マジ日本語話せよ。)(六条ー、俺が日本語以外話せると思うか?)





2011.07.25

六戌。
学パロである必要性が消えてしまうなんてよくあることです。
六戌あげる代わりに六条と狗木を貰う約束なんでホイホイ釣られました。個人的に押せ押せな戌井が六条をけしかけるんだけど、途中から余裕無くなって最中の六条めっちゃイケメンだなとか思ってたら超好み。六戌萌え。














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