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今日!ついに補習が終わる。四日間だったけど長かったな〜。来なくていい学校に来るなんて足取りが重かった。
「なまえ!おはよー!今日で最後っスね!」
黄瀬くんもにこやかに入ってきた。
でもこの四日間、楽しかったな。黄瀬くんは怖い人じゃないってわかったし、何より笠松先輩と知り合いになれたのが嬉しい 。笠松先輩といる時間は、なんだかよくわからないけど、黄瀬くんといる時間とはまた違う。安心するっていうか、和むっていうのか。
残りわずかなプリントにシャープペンを走らせる。先生が取りに来る頃には私も黄瀬くんも余裕で提出することができた。でも気がかりなことがあった。
『今日笠松先輩のギターの音聞こえないね?』
「なんか今日は遅くまであわせてるらしいっスよ。でも個人でも終わったらやるつもりだって言ってたんで、少しの間教室で待たなきゃいけないと思うっス」
『そっかー』
そういえばたしかに文化祭明日だもんなー。なんて考えた。楽しみだな、笠松先輩たちの演奏。いつもは私が会いに行ってたから、今日は待ってみよう。
教室が夕焼けで赤く染まった時間。ついに笠松先輩がいつもの教室に来た。
「おお。帰っただろうと思ってた」
笠松先輩が言った。そしてその背中にはいつものギターとまた別にギターを持っていた。
『黄瀬くんから遅くなるとは聞いたんですけど、やっぱり聞きたくて』
それに純粋に会いたかった。そんなことは言えなかった。
「そうか。そういやさっき音楽室に行ったらアコギがあってさ。お前あれ、昨日聞きたがってただろ?」
笠松先輩がギターをおきながら言った。
『え!いいんですか!?』
「おう。久しぶりに弾くからうまく弾けるかわかんねーけど」
笠松先輩が弦を弾いて。私はその演奏に聞き入った。そして口ずさまずにはいれなくて、気づけば小さく歌っていた。
『やっぱり、先輩の演奏すごく好きです』
アコギをおいた先輩にそう言った。エレキしか見たことなかったからあんまりイメージわかなかったけど、アコギを弾く先輩もとてもかっこよかった。
『明日の本番、楽しみにしてますから』
なまえがそう笑うと、笠松先輩も笑い返しておう、と言った。
そして、昨日みたいに二人で校舎を出て、一緒に帰った。
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