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次の日。私はいつも通り補習の教室へ向かう。昨日は笠松先輩のおかげで渡されたプリントをついに半分以上終わらせることができた。わからなかった問題もほとんど解消して、あとは解くだけである。足取りも軽く、教室に入る。そして黄瀬くんとまた勉強をスタートした。







夕日が傾いてきた頃。昨日は私たちのせいでほとんど練習できなかったであろう笠松先輩。だから少し申し訳ないので、今日はちょっと遅くまで勉強した。黄瀬くんは帰ってしまって、私は一人笠松先輩のいる教室へ向かった。

『こんにちは』

挨拶しながら入ると。そこにはやっぱり笠松先輩がいて。

「今日遅いな」

来ないかと思った、と笠松先輩が言った。

『もちろん来ますよ』

私はそう言って、笠松先輩の席の向かいに座った。

『笠松先輩ってどんなアーティストの曲他には聞いてるんですか?』

実はとてもそれが気になっていた。何だか好きなアーティストが被ると、他の好きなアーティストも被るんじゃないかなって思って。笠松先輩は指を折りながら数えるように答えた。

『え!私も大好きです!その辺!』

「おいマジかよ!」

そのあと二人で好きなアーティストのライブの話やこのアルバムでは何が好きだとか。そんな他愛のない話をたくさんして。

『じゃ、笠松先輩もしかしてそれも弾けるんですか?』

「弾けなくはねーけど」

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