清志が風呂から上がると、ソファーで毛布に丸まっているなまえがいた。
「蓮とかどう?」
『あの子達本当に起きてるつもりだよ。蓮が千笑美がもし寝ちゃったら起こしてやるってさー』
もう私の方が眠くなっちゃった、なんてなまえは言った。
「やべーな。どうする?」
『やっぱり清志のせいにするしかないよ〜』
「ふざけんな」
清志が私の頬をつまんだ。どんどん眠くなるばかりである。
ふたりであーどうしよう。そう言いながらソファーで悩んでいたときだった。
ガチャリ。
リビングのドアが開いた。清志となまえはビクッとあまりに大きなリアクションをした。そこに立っていたのは蓮で。
「どうした?寝れねぇのか?」
と清志が聞くと。
「いや?ただ報告しに来ただけ。千笑美寝たからプレゼントおけば?」
なまえは飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
『蓮わかってたの!?』
「俺だってもう小4だぜ?もうこの年でまだ信じてるやつなんかいねぇよ」
蓮がそう言った。
たしかに俺もその頃は親だと思ってたかも、なんて清志が思う。
呆然としていた両親を目の前に、蓮は首を傾げる。
「あれ?置きに行かないの?」
なまえが急いで千笑美の枕元にプレゼントを置いて帰ってきた。
『蓮のもあげようか。はい』
「ありがと」
プレゼントを受け取った蓮の頭を撫でる。
『なんだか蓮もすごくお兄ちゃんって感じになったね』
「当たり前だろ!もうお兄ちゃん5年やってるしな!」
そう言って笑う顔はとても清志そっくりだった。蓮が頭を撫でられてるそばで、清志も蓮のもとへやってきて。蓮を抱っこした。
「わ!何すんだよ!」
久しぶりにされる行動に蓮は顔を赤らめて暴れる。例え蓮が自分は大きくなったつもりでも両親二人にとってはまだまだ可愛い息子なのだ。
『蓮ありがとうね』
蓮は照れたように笑ってリビングから2度目のおやすみを言って、出ていった。
私と清志も二人の寝室へ向かう。
『最近蓮パパにそっくりじゃない?』
「前からだろ」
『最近もっとだもん。仕草っていうのかな?リアクション?第二の宮地清志状態だよ。可愛くて仕方ない』
まぁそれは前からなんだけど、と言うと、清志ははぁ?と言った。
「俺から見ると蓮も千笑美もなまえそっくりだし。ぶっちゃけちょっと悔しい」
眠そうに欠伸を噛み殺す清志が何だか可愛らしく見えて、私は思わずパジャマの裾を引っ張り、近づいてきた清志に触れるだけのキスをした。
「やられっぱなしでいると思うなよ」
なんて抱き締めてきた清志の大きな背中に腕を回して、そのまま二人でベッドにダイブして夜は更けていったのだった。
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