「パパ〜!」

千笑美が走ってきて寝てた俺に体当たりしてきた。可愛らしいことこの上ないのだが、寝ていた身としてはもう少し配慮ってものがほしい。

「おはよ?」

首をかしげて笑う我が娘の可愛さには敵わない。

「ん、はよ」

低血圧の俺は出来るだけ休みの日はゆっくりだらだら寝ていたいのだが、こう娘が来るのならちゃんと起きようと思う。

リビングにいくと、なまえと蓮はいなかった。

「ママと蓮は?」

「おでかけしゅるって」

まだまだ呂律がたどたどしい娘に本当に何でこんなに可愛いんだと思いながら、美味しくもないインスタントコーヒーを飲む。

「千笑美ものむ!」

俺の足に絡み付く千笑美。お前にはまだ早いと思ったが、一口あげてみた。

「一口な」

キラキラした笑顔で、千笑美はカップに口つける。すると、俺の方を振り返る。涙目で。

「にぎゃい〜!!!」

「やっぱりまだ早いよな」

俺の胸にすがり付いてにぎゃい〜!!と騒ぐ千笑美の頭を撫でてやる。

「朝御飯は?食べた?」

「たべた。ママがパパにって」

テーブルには簡単なものだがおいてあって。俺はありがたくそれをいただくことにした。

「パパ〜?千笑美もお出かけしたい〜」

「今日はお留守番の日だからなー。また今度な」

「ヤ!!」

千笑美は俺の胸をポカポカ叩いた。

「ハイハイ。パパご飯食べれないからちょっと待ってろ〜」

「ヤ!!」

反抗期?そんなこと思わずにはいれない娘。まぁ我の覚えたてなんだろう。と思っていたが。本当に朝飯が食えない。このままじゃ昼飯もわからない。

「千笑美?」

「ヤ!!」

……やっぱり反抗期なのか?

どうしたらいいか困っていたら、玄関があく音。どうやらなまえが帰ってきたようだった。

「ママ!!」

千笑美は玄関までなまえたちを迎えにいったようだった。

「おかえり。早かったな」

『うん。今日は蓮と千笑美とお菓子作るつもりだったから材料足りない分蓮と買いに行っただけなの』

お留守番ありがとね〜と、なまえは千笑美の頭を撫でた。いつもよりちょっと早起きになったけど、なまえたちがお菓子作りするの見るのもいいな、なんて思って休日は始まるのだった。



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