霧崎とちゅー



*花宮の場合

『花宮ちゅーして』

「は?ついに頭いったかバァカ」

『…まぁ、わかってたけどね。してくれないの』

私はそう言って、花宮に背を向けた。

「何拗ねてんだよ」

花宮が私の顎を持ち上げて噛みつくようなキスをする。苦しくても花宮の手が私の後頭部を押さえ、離れられない。銀糸が2人を繋ぐと、花宮が口を開く。

「僕にキスさせたんだ。お礼は何でくれるのかな?」

猫をかぶってそんな言葉を発した花宮の唇は、私のグロスでテカテカしていてひどく言葉と不釣り合いだった。





*瀬戸の場合

『瀬戸ー!』

「お、何だ?」

『ちゅー!!!』

「おう」

ちゅ、と可愛らしいリップ音がなる。

『もっともっとー!』

「はいはい」

屋上で2人のリップ音の他に聞こえるのは授業開始のチャイムの音だけだった。





*原の場合

私の好きな人である原は常にガムを噛んでる。本当にガム噛んでないときあるの?って位に。しかもガム出してるとこも見たことない。

『原ー』

「ん?」

『原っていつガム出してんの?』

「飲んでる」

『子供か』

「ホラ」

原が口を開けてガムがないのを見せてきた。マジで子供か。すると、腰に手が回って、原と急に距離が近くなる。

『え?は

原?と言いたかった口は原の唇でふさがれ、私の口に原の舌が滑り込む。ベリー系の美味しそうな匂いがした。舌を吸われて力が抜けて、立てなくなる。

『ん、は、何で?』

付き合ってもないのにキスをしてきた原に尋ねた。

「俺は結構前からお前のこと好きなんだけど」

そんなことをしれっと言ってのける原に、私は思い切り抱きついた。








◎拍手でやってるちゅーシリーズの霧崎ver.です。いやぁ…難しい。でも結構霧崎好きだから頑張って書けるようになりたい。ていう願望。

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