緑間と合格祈願



『あ!緑間くーん!』

私が手を振ると、緑間くんは会釈した。

「『明けましておめでとうございます』」

緑間くんは寒そうに少し鼻を赤くしていたらしい私の手を握って歩き出した。付き合いたての時なんて手を繋ぐだけで顔を赤らめていたくせに今ではこんな状態だ。気づいたらなんだかずいぶん頼れる彼氏様になっていた。

「すみません。貴重な時間を待たせてしまって」

『いいよ〜。気にしないで!合格祈願行きたかったし!』

ね?と言うと、緑間くんははい、と返した。

年も明けてすぐなので、神社はとても混んでいた。

甘酒をもらって温まる。

『バスケ部の練習は?いつからなの?』

「明日からです」

『そうか〜。緑間くんも忙しいね』

「はい。でも来年こそは勝つとこ見せますから」

今年のウィンターカップを見に行ったのだが、残念ながら緑間くんたちは3位で終わってしまったのだ。

『へへ、楽しみにしてるね』

緑間くんはすこしだけ笑ってはい、と返した。甘酒も飲み終わり、列に並ぶ。

お祈りは自分の合格と緑間くんの勝利にした。

『おみくじ引きたい!』

「もし凶とか出たらどうするんですか。入試目前で」

『…出ないはず!』

そう言って緑間くんと引けば、緑間くんは安定の大吉で、私は…凶とまではいかないが吉だった。

『何か、なんとも言えないよね』

そう言って笑いながら木に結ぶと、緑間くんはおみくじについて来たストラップを私の手を取り、掌に置いた。

「貸しておきます。俺の大吉がなまえさんに少しでも影響するように」

私は掌の亀をじっと見つめて、笑う。

『オッケー。ご利益つけて緑間くんに返す!』

そう言って私は早速ケータイにそれをつけた。

「…あともう少しです。終わったらまたぜひ部活にも来てください。そして、どこか行けたら一緒にいきましょう」

だから、頑張ってください。

そういう顔は少し照れていたようで、赤らんでいた。

あ、付き合い始めた頃と同じ顔してる。そうわかったのはなまえだけで。

私は笑って頷いたのだ。

『どこかに連れていってね。緑間くん!!』

そう言うと、緑間くんは驚いたような顔をして、でもフッと笑ってはい、と返事をして。また私の手を拐って道を歩き始めたのだった。




◎Happy New Year!!!!
緑間の彼氏力の成長っぷりを見られたらそれはとても幸せなことだと思う。

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