青峰の片想い



ああ、無理かもしれないのは十分わかってる。

『青峰!』

俺に向けるその顔全部で伝えるような笑顔。寝転んでいた体制を起こしてなまえを見た。

「…んだようるせーなー」

『私もサボりに来た』

「はぁ?」

本来ならこいつはサボるようなやつじゃない。何でここにいるんだ?そんな俺の疑問はチャイムが鳴ると同時になまえによって解決された。

『なんか青峰いないとやる気にならなくてさ』

そう言うなまえは少し頬を染めて笑っていて。その顔俺以外に見せたり絶対すんなよ。そんな言葉が口から出ることはなくて。

「そーですか。じゃあ俺は寝るから」

『なら私も寝る』

俺の隣に寝転ぶなまえ。俺だって男なのこいつはわかってるのだろうか。てか床固くて痛いだろ。

「いてーだろ。これ敷いとけ」

俺のブレザーを渡せばなまえはありがと、と笑う。少しは危機感もてよな、なんて思いながら目を閉じる。少しすれば目の前で無防備に寝顔を晒しているなまえ。こんな簡単に寝やがって。俺はなまえの頬をつまんだ。起きない程度に。

そしてこんなことを思う。
お前があんなこと言ってくれたのは。お前が俺がいないってサボってくれたのは。まぁ俺の願望かもしれねーけど。本当にもしも、お前が俺のことを好きならなーなんて、らしくねーこと考えてしまう俺はかなりこいつに惚れてしまっているらしい。




◎あとがき
「もしも」RADWIMPS



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