英語教師氷室



『……3番?』

「違うね。はい、もう一度一緒に言ってみようか」

すっかり暗くなった空。教室に残るのは私と氷室先生。

「rはこうで,lはこう」

氷室先生が発音する。さすが噂に聞いた帰国子女と言うか。

「なまえもやって」

氷室先生の真似をするが、いまいちうまくいかない。

「もっと舌を引っ込めて発音してごらん?」

氷室先生が微笑む。そして、発音すると氷室先生がやっていたような発音になる。

『……ぽい!!』

「そうだね。これはそうやって発音するんだ」

氷室先生に私の苦手な発音問題を見てもらって早くも1時間。発音でこんなに時間がかかるとは思わなかった。

「次はじゃわかるね?」

『4?』

「そう」

『やった!』

嬉しくて笑うと氷室先生の手が私の頭を撫でる。

「おっと、もうこんな時間か。そろそろ帰らないと警備員さんに怒られるよ」

『あ、そうですね!こんな遅くまでありがとうございました!』

私が頭を下げると氷室先生はいいよ、と笑ってくれる。

「あれ?なまえは家はどっちだっけ?」

氷室先生からの質問に返事をすると、氷室先生はおお、と声を漏らす。

「ならちょうどいい。僕の家も近いから送っていくよ。雨も降るらしいしね」

氷室先生の言葉に私は甘えさせてもらうことにして。

「ちょっと後ろに荷物があるから助手席でもいいかな?」

『はい!』

彼女みたいなとこに座らせてもらえて。先生の車もほとんどなくなっていた。そして氷室先生が車に乗る。

『お願いしま

私の言葉を遮る氷室先生の唇。まさかの事態に目は閉じれなくて。

「ごめんね。あんまり可愛いから」

そう怪しく微笑む彼はもう教師として見れるはずもなくて、私は顔を赤らめて下を向いた。





◎あとがき
そのまま家にまっすぐ帰してもらったのかはご想像にお任せします。

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